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FiscoNews

【注目トピックス 日本株】酒井重 Research Memo(5):財務基盤は安定、手元の現金及び預金は76億円と潤沢。四半期比では在庫の圧縮進む

*13:05JST 酒井重 Research Memo(5):財務基盤は安定、手元の現金及び預金は76億円と潤沢。四半期比では在庫の圧縮進む
■酒井重工業<6358>の業績動向

3. 財務状況
2025年3月期末の財務状況について、流動資産は前期末比2,026百万円減の26,611百万円となったが、主に現金及び預金の減少715百万円、受取手形及び売掛金(電子記録債権を含む)の減少2,422百万円、棚卸資産の増加879百万円などによる。固定資産は前期末比413百万円増の16,013百万円となったが、主に設備投資による有形固定資産の増加310百万円、無形固定資産の増加263百万円、投資その他の資産の減少161百万円(うち投資有価証券の減少374百万円)などによる。この結果、資産合計は前期末比1,612百万円減の42,624百万円となった。

期末在庫は、前年同期比では若干増加したが、第3四半期末比では減少している。これは、第4四半期(会計期間)に大幅な生産調整を行ったことによるもので、その結果として第4四半期(会計期間)の売上総利益率は23.0%(前年同期は26.3%)へ大きく低下し、通年での売上総利益率も低下した。

同社の場合、受注生産ではなく大部分が見込み生産であるため、ある程度の在庫を抱える必要がある。今後は、この在庫水準がどの段階で底打ちするか注視する必要があるだろう。

一方で、負債合計は前期末比2,577百万円減の12,494百万円となったが、主に流動負債のうち買掛債務(支払手形及び買掛金、電子記録債務)の減少2,649百万円、短期借入金の増加175百万円、固定負債のうち長期借入金の減少38百万円、繰延税金負債の減少85百万円による。純資産合計は前期末比964百万円増の30,130百万円となったが、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加244百万円、その他有価証券評価差額金の減少198百万円、為替換算調整勘定の増加819百万円による。この結果、2025年3月期末の自己資本比率は70.5%(前期末は65.8%)となった。

同社ではバランスシートのスリム化に注力してきたが、2025年3月期末の正味運転資本(売上債権+棚卸資産-仕入債務)は14,138百万円(前期末比8.5%増、同1,107百万円増)となった。業績が低迷したことから生産調整を進めたが、棚卸資産が前期末比で879百万円増加(同8.2%増)したことで、棚卸資産回転数は、前期末比0.68回減少して年間2.41回となった。この結果、正味運転資本/売上高比率は50.8%(前期39.5%)となった。

4. キャッシュ・フローの状況
2025年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは399百万円の収入となった。主な収入は、税金等調整前当期純利益の計上1,861百万円、減価償却費713百万円、売上債権の減少2,558百万円で、主な支出は、棚卸資産の増加632百万円、仕入債務の減少2,731百万円となっている。

投資活動によるキャッシュ・フローは39百万円の収入となったが、主な支出は有形固定資産の取得324百万円、主な収入は投資有価証券の売却449百万円による。財務活動によるキャッシュ・フローは1,220百万円の支出となったが、主な収入は長短借入金の増加(ネット)136百万円、支出は配当金の支払額1,191百万円となっている。この結果、現金及び現金同等物は前期末比645百万円の減少となり、現金及び現金同等物の期末残高は7,599百万円となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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