*08:29JST NYの視点:米5月中小企業楽観指数は年初来初めて上昇も関税政策や税制問題くすぶり上昇は限定的か
全米自営業連盟(NFIB)が発表した5月中小企業楽観度指数は98.8と、4月の95.8から予想以上に上昇し、2月来で最高となった。年初から低下基調にあったが、本年初めて前月から改善した。良好な見通しが全体指数を押し上げた。関税を巡り、米中の一時的な引き下げなどの対応で、貿易摩擦悪化への脅威が一時より緩和したためと見られる。
経済の回復を予想していると回答した企業は25%と、4月の15%から回復。また、資本支出を引き上げるとの回答は22%と、年初来で最高に達し、企業の自信が若干戻った証拠となった。
一方で、「不確実性指数」は上昇。トランプ米大統領による関税政策の行方が依然不透明であるほか、現在米国議会で審議中の税制改革案をめぐる不透明性も増している。最も重要な問題として「税金」が挙がったのは、NFIB調査で2020年末以来初めてだという。
脅威が緩和基調にあるものの関税や税制問題が解決したわけではない。関税を巡り不透明感は依然強く、企業は当面、新規従業員雇用や設備投資などに消極的な姿勢を維持する可能性は根強いと見る。
●雇用を計画:12%(4月13%)
●販売価格を引き上げ:25%(25%)
●資本支出を引き上げ:22%(18%)
●在庫水準の引き上げる計画:-1.%(-4%)
●経済の回復を予想:25%(15%)
●売り上げ増を予想:10%(-1%)
●信用状況の緩和:10%(9%)
●空いているポストを埋められない:34%(34%)
不透明性指数:94(92)
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