*17:31JST CSSHD Research Memo(1):2025年9月期の業績予想を上方修正。中期経営計画の出足は順調
■要約
CSSホールディングス<2304>は、東京証券取引所(以下、東証)スタンダード市場に上場する純粋持株会社である。傘下のグループ会社によって、「スチュワード」「フードサービス」「空間プロデュース」の3つの事業領域を有する。スチュワード事業では、ホテル・レストランを中心に食器洗浄及び厨房管理業務を全国展開する。フードサービス事業では、従業員食堂・レストラン運営の受託や外食事業を展開している。空間プロデュース事業では、BGMに加え映像・音響・放送・セキュリティに関する設計・販売・施行・管理・メンテナンスなどの事業を展開する。中期経営計画の推進により、グループのさらなる成長を目指している。
1. 2025年9月期第2四半期の業績概要
2025年9月期第2四半期(中間期)の連結業績は、売上高で前年同期比8.2%増の9,886百万円、営業利益で同1.1%増の512百万円、経常利益で同1.9%増の530百万円、親会社株主に帰属する中間純利益で同6.4%減の302百万円となった。同社は期初には減益を予想していたが、想定を上回る順調な新規受託や観光業界の活況により売上げが予想を上回った。さらに、現場の生産性改善努力と稼働率の高まりに伴い原価率が低下したことから、各段階の利益は予想を大きく超過して着地した。事業別には、スチュワード事業はホテル業界の好業績に伴い売上高・営業利益ともに好調に推移した。フードサービス事業は増収だったが、食材価格高騰の影響を受け営業利益は横ばいに留まった。空間プロデュース事業は、前年同時期の収益性の高い大型案件を納品した反動で、減益となった。以上から自己資本比率は45.0%の高水準を維持し、東証プライム・スタンダード・グロース市場の全産業平均を大きく上回る強固な財務基盤を有していると評価できる。
2. 2025年9月期の業績見通し
2025年9月期の連結業績は、売上高で前期比9.1%増の19,230百万円、営業利益で同10.9%増の657百万円、経常利益で同8.6%増の684百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同17.9%増の505百万円の見通しだ。中間期の好決算を踏まえて期初予想を上方修正したもので、前期比減益予想から一転して増益予想に修正し、各段階の利益予想を10%前後引き上げた。スチュワード事業及びフードサービス事業を中心に、下期も好調が持続すると予想されることから、引き続き保守的な業績予想であり、達成する可能性が高いと弊社では見ている。なお、現段階では1株当たり配当金は年間合計30.0円と、前期と同額(普通配当ベースでは増配)を予想する。ただ、株主還元に前向きなことを考えると、業績次第で期末配当の上乗せもありうると弊社では考える。
3. 中期経営計画
現在推進中の中期経営計画では、売上高27,000百万円、営業利益950百万円、ROE15%以上を目標に掲げる。年平均成長率は、売上高は15.3%、営業利益は16.8%と意欲的な業績目標である。業績目標達成のための成長戦略では、3事業において「基軸事業の強化による収益力の向上」を目指すとともに、「X-value(クロスバリュー)ユニットによる新たな価値創出」として新しい事業分野を開発することで各事業の業績に貢献することを見込んでいる。初年度の2025年9月期は、「人材育成の強化」「ESG課題への取り組み推進」に積極的に投資するため営業利益は横ばいに留まる予想であったが、増益に上方修正する順調なスタートとなった。2026年9月期からは投資の効果が表れ、成長が加速する計画である。計画の実現に向けて、新卒外国人の現地採用も始めた。弊社では、今後の業績推移及び成長戦略への取り組み状況を注視したい。
■Key Points
・2025年9月期中間期は、スチュワード事業が好調で、期初の減益予想から大幅に改善
・2025年9月期予想を、減益予想から増益予想に上方修正。年間配当予想は現段階では据え置き
・中期経営計画の年平均成長率は売上高で15.3%、営業利益で16.8%と意欲的な業績目標を掲げるが、初年度から業績予想を引き上げる順調なスタート
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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