現場で強要された“中国流のオラオラ接客”
そんなAさんは、過去に中国人オーナーから“中国流オラオラ接客”を強要された経験がある。
「中国人オーナーから『とにかく単価を上げるように』と指示されていました。たとえば、一番シンプルな単色のネイルを予約したお客様がいれば、『お姉さんにはこっちの方が似合うよ!』とより高額のデザインを進め、『ストーンやパーツを追加した方がカワイイ!』と高額になるように営業をしろ、というのです。また、『施術時間を短くして、パーツをつけて稼げ』というスタンスだったので、とにかくギチギチに予約を入れさせられる。技術は雑でも良いから客をたくさん取れ、ということですね。
個人的にこうした営業スタイルが合わず、店を辞めることになりました。そもそも、契約書も書面でもらっておらず、ほぼすべてが口約束状態でした。給与は現金払いでしたし、『もしもオーナーに飛ばれたら終わる』と不安になって別のサロンに転職を決めたのです」(同前)
初回予約客の施術で素人スタッフを「練習」させ技術トラブルに
都内でネイルサロンを経営している日本人ネイリストの女性・Bさん(30代)も、昨年まで中国人オーナーのネイルサロンで働いていた。彼女はそこで驚きの経営実態を目の当たりにしたという。
「前のサロンはネットで求人情報を見て、応募しました。オーナー名が日本人風だったし、掲載している写真も日本のサロンに見えましたが、実際に面接に行ったら中国の方が経営していました。『まあ大丈夫かな』と思って就職したら、私以外の3人のスタッフがすべて中国人で、サロンでの会話は中国語が飛び交っておりカルチャーショックでしたね。
一番衝撃だったのは、ネイルの初歩の初歩も知らない、まったくの素人さんを雇っていたこと。ネットの予約サイトから、初回で2000~3000円くらいの激安クーポンで来店したお客様に彼女を付け、練習させていたんです。あるとき、爪の生え際にある甘皮の処理で皮膚を傷つけてしまい、血が滲むというトラブルもあった。でも中国人オーナーは強気で、謝らないんです。『うちは悪くない! もううちの店は来なくていい』とお客様を追い返していました」(Bさん)
インバウンド需要の高まりや、開業のハードルが低いという背景もあり、年々増加している中国人オーナーのネイルサロン。真面目に経営している店舗がある反面、一部ではここで紹介したような杜撰な経営をしているケースもあるようだ。後編記事では、中国人サロンで施術を受けた経験がある客の側から、そのトラブル体験の実例を紹介する。
■後編記事:《日本人店に偽装?》急急増する「中華系ネイルサロン」でのトラブル実体験 「日本人の名前のネイリストを予約したのに…」「勝手にパーツを追加され料金上乗せされた」