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ビジネス

日本製鉄・橋本英二会長、USスチール買収直前に故郷・熊本の母校での講演で語ったアメリカ観 「“世界の面倒はもう見ない”という米国の大きな転換は変わりません」

日本製鉄・橋本英二会長(左)はトランプ大統領の言動をどう分析しているのか(右=Getty Images)

日本製鉄・橋本英二会長(左)はトランプ大統領の言動をどう分析しているのか(右=Getty Images)

 日本製鉄によるUSスチールの買収がようやく決着した。バイデン、トランプと2代続けて大統領の反対を受けながらも、巨額の投資計画を示して約1年半に及ぶ買収劇を貫徹させた日鉄の橋本英二・会長兼CEO(69)。“鉄の交渉人”と呼ばれる男は、なぜ完全買収の意思を貫けたのか。昨年12月に橋本氏への独占インタビューを行なったノンフィクション作家・広野真嗣氏が、その“原点”にまで迫る。【全3回の第1回】

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「経営の自由度と採算性の2つが確保されており、今回の米国政府との合意は十分に満足できる」

 USスチールを141億ドル(2兆円)で完全子会社化した翌6月19日、日本製鉄の橋本英二・会長兼CEO(69)は会見で、“悪条件を押し付けられた”といった疑念を一蹴した。

 米国政府に「黄金株」を発行し、一部の事項に拒否権を与えた異例の決定には「やりたいことを阻害されることはない」と言い切り、トランプ政権の対応を「世界共通の新たな流れ」の表われと受けとめた。むしろ、「政府が経済への関与を強めるのが今の流れ。いい悪いではなく、合理的だと思う」とさえ言い切った。

 2024年1月から反対を唱え続けたトランプは、大統領就任後も「誰も(USスチール株の)過半数を保有できない」と主張した。一時はその実現が絶望視されながら、逆転決着に向け、3年で1.5兆円という巨額の設備投資を約束してまでこだわった理由は何か。橋本の目に、アメリカはどう映っていたのか。

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