処分はこれでは終わらない
現場を知るA氏はさらなる処分を心配する。
「今後、配達用の軽自動車(軽バン)の許可まで取り消されると、郵便業務が成り立たなくなる恐れがあります」(A氏) 日本郵便は荷物運送サービスの「ゆうパック」を支える配達用の軽バンなど3万2000台を保有するが、A氏が指摘する通り、これらの車両にも処分が広がる可能性が取り沙汰されている。
「国交省は軽バンの点呼についても監査を続けており、不適切な点呼が確認されれば、使用停止などの罰則が科されることになるでしょう」(社会部記者)
国交省「令和5年度宅配便(トラック)取扱個数」によると、宅配便のシェアは最大手がヤマト運輸の宅急便(46.7%)で、以下に佐川急便の飛脚宅配便(27.9%)、日本郵便のゆうパック(20.5%)が続き、大手3社で全体の95%に至る寡占状態となっている。
その一角を占める日本郵便に対する今回の処分の影響は、日本の物流網全体に及ぶだろう。
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※週刊ポスト2025年7月18・25日号