*14:07JST 為替週間見通し:ドルは上げ渋りか、米インフレ加速も成長鈍化を警戒
【今週の概況】
■米国の関税措置を意識してドル買い強まる
今週の米ドル・円は上昇。トランプ米大統領は日本や韓国からの製品には25%の関税を課す予定と述べたことが米ドル買い・円売りを促した。米国側では関税措置による物価高が想定されているが、日本側では対米輸出額の減少によって日本の国内総生産(GDP)は減少すると想定されている。米国の早期利下げ観測は後退し、米長期金利は上昇したこともドル買い材料となった。米ドル・円は週初に144円台前半まで下落したが、米長期金利の上昇を意識してじり高となった。
11日のニューヨーク外為市場でドル・円は一時147円52銭まで上昇した。トランプ政権の関税政策がインフレ悪化につながるとの懸念が高まり、長期金利の上昇に伴うドル買いが活発となった。米ドル・円は147円42銭でこの週の取引を終えた。米ドル・円の取引レンジ:144円23銭-147円52銭。
【来週の見通し】
■ドルは上げ渋りか、米インフレ加速も成長鈍化を警戒
来週の米ドル・円は上げ渋りか。米インフレ指標は加速が予想され、7月15日発表の6月消費者物指数(CPI)は総合、コア指数が5月実績を上回れば、早期利下げ観測は一段と後退するとみられる。ただ、物価高によって個人消費は減退し、米国経済の大幅な減速も警戒されている。今週発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、7月利下げの主張は2人にとどまったものの、貿易政策の不透明感から年内2回の利下げが引き続き想定されている。17日発表の6月小売売上高は前月比マイナスとなる可能性があり、市場予想を下回った場合、4-6月期国内総生産(GDP)を押し下げ、米国経済の一段の減速が警戒される。
なお、7月20日投開票の日本の参院選で与党は過半数議席を確保できないとの見方が浮上している。与党が過半数議席を維持しても参院選後に財政拡大観測が強まる可能性もあるため、長期金利の上昇やこれに起因するリスク回避的な円買いも想定され、ドルを下押しする可能性がある。
【米・6月消費者物価指数(CPI)】(7月15日発表予定)
15日発表の米6月消費者物指数(CPI)は前年比+2.6%、同コア指数は同+3.0%と上昇率は5月実績を上回る見込み。市場予想と一致した場合でもドル買い要因になりやすい。
【米・6月小売売上高】(7月17日発表予定)
17日発表の米6月小売売上高が前月比マイナスとなった場合、米国経済の一段の減速が警戒され、ドル売り要因に。
予想レンジ:145円50銭-148円50銭
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