「選択肢の銘柄が多すぎて大変」という人への助言
もちろん、個別株への投資でも数年に一度の暴落局面に直面することは起こり得るが、「その局面を平常心で乗り切れるように、自分なりに確信を持てる企業にだけ投資する」ことが大切だという。
「一言で日本株といっても、上場銘柄には4200銘柄ほどあり、そのなかから選ぶのはなかなか大変です。のんびり投資をするなら、東証プライムのなかでも時価総額や流動性の高い上位100銘柄ほどをチェックすれば十分でしょう。100社もチェックするのは大変と思うかもしれませんが、そのくらいは必要なことで、1日3~4社ずつ見ていけば、1か月で大半の概要をカバーできます。
そのうえで、前向きな将来像や、そこに至るまでのストーリーが自分のなかで思い描ける企業を投資対象にしていきます。たとえば、トランプ関税ショックでトヨタも株価が下落していますが、仮にそのまま関税が発動しても、トヨタほど強い企業なら、何年後かには復活するというシナリオも描けます。もちろん、未来のことを断定的に言うことは誰にもできませんが、明るい未来が描ける銘柄、業績が上がると信じられる銘柄なら、長く持ち続けやすいということです」
信頼できる大型株に投資して、のんびり10年、20年持ち続けるのがさかえださんの投資スタイルである。長期保有を勧めるさかえださんは、どのような銘柄に注目しているのか。関連記事『【FIRE達成の元証券アナリストが厳選した4銘柄】長く持ち続けられる銘柄を選ぶポイントとNGな考え方を解説 新興国需要、生成AI需要、親子上場解消に着目』の一覧表で詳しく紹介している。
【プロフィール】
さかえだいくこ/大学常勤講師。日本FP協会認定CFP。日本証券アナリスト協会認定証券アナリスト。21歳で証券会社に口座を開設して以来、証券アナリストだった時代を除いて投資を続け、投資家歴は30年超。システムエンジニア15年、証券アナリスト7年半、地方公務員5年半を経験し、49歳でFIREを達成。しかし、50歳目前で、某企業の研究員として週休3日の会社員に復帰。その後、北東北の大学で非常勤講師としてキャリア教育にも従事し、53歳で常勤講師となる。
取材・文/清水典之