長期保有でのんびり投資すれば、毎日を心穏やかに過ごせる
資産運用を成功させる秘訣とはなにか? 現在は東北地方の大学で教鞭をとるさかえだいくこさん(55)は、証券会社のシステムエンジニアから証券アナリストに転身後、地方に移住するなどしている間に積み上げた投資資産が6000万円を超え、49歳の時にFIRE(=経済的自立と早期リタイア)を達成した。新刊『2倍株・3倍株がぽこぽこ生まれる のんびり日本株投資』を上梓したさかえださんに、短期的な損得にこだわらず、「大きく負けない」ことを重視して心の平安を保ちながら「のんびりと日本株投資を楽しむ」秘訣について、話を聞いた。
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日本株は“オワコン”ではない?
「最近、投資を始めたばかりの初心者の方のなかには、“日本株はオワコン”だと信頼していない人が多く、新NISAの非課税投資枠をS&P500やオルカン(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー))ばかりで埋めていたりします。それはそれでいいのですが、そういう方々にも、『のんびり投資するには日本株もいいですよ』ということを伝えたくて、本書を書き上げました」(以下、「」内コメントはさかえださん)
なぜ日本株だと「のんびり」投資ができるのか。かつて証券アナリストでもあったさかえださんが、独自の視点でその理由を語ってくれた。
「株式投資をしていて何が辛いかといったら、含み損が辛いわけです。それに耐えられなくて脱落していく人が多い。だけど、そこを乗り切って10年、20年続けていけば、資産を大きく増やせるはずです。分散投資で安定した上昇が期待できるとされるインデックス型投信も、S&P500でさえ数年に一度は高値から20%程度の下落が起きています。今年の春に大きな下落があったことも記憶に新しいでしょう。
そうしたなかで投資を長く続けるために、『リターンもリスクもインデックス以下にする』というのが私の投資の方針で、『預金するよりは増える』という気持ちで向き合えば、心穏やかに続けられるというポリシーです。私はサッカーが好きなのでサッカーチームでたとえますが、無理して優勝は狙わず、1対0や引き分けの試合で勝ち点をコツコツ積み重ねて、JリーグならばJ1残留するのが目標のチームのようなイメージです。こういう投資をするには、日本株は最適なのです向いています」