キリンさんが初めて投資したのは社会人2年目の冬(本人のXより)
株式投資で億超えの資産を築いた“億り人”も、最初から投資の達人だったわけではない。初心者時代に手痛い失敗を繰り返し、それを乗り越えて独自の投資手法にたどり着いた人もいる。その経験談からは個人投資家が「やってはいけないこと」の教訓も見えてくる。
会社員を続けながら資産1億円超えを達成した兼業投資家のキリンさんもそんな経験を持つ1人だ。投資を本格的に始めたのは34歳からと遅いスタートで、“勝ち筋”を見出すまでに紆余曲折もあったという。
キリンさんが初めて投資の世界に足を踏み入れたのは、社会人2年目の冬だった。もともと子供の頃から数字に強かったといい、株式投資の道を選んだのは自然な流れだったという。社会人になり、ある程度の貯蓄ができたタイミングでイー・トレード証券(現在のSBI証券)に口座を開設。しかし、その直後に思わぬ事態に直面した。
「口座を開設した直後にライブドア・ショックが起きたんです。それで様子を見ていたら、今度は異動で株式投資が禁止されている部署に配属されてしまいました」(以下、「」内コメントはキリンさん)
書き込みを見つけて信じて買ったら、あっさり下がる
こうして口座を開設したまま一度も売買を経験することもなく、月日が流れた。実際に投資を始められるようになったのは9年後の2015年の春。34歳の時だったという。
「投資家としてはかなり遅いスタートだと思います。それまでの期間、仕事で企業分析に携わる機会はありましたが、株価の動きを分析することはイコールではなく、決算書は読めるという程度の知識で、投資家としての空白期間となってしまいました」