億り人・キリンさんは買う銘柄をどう選んでいるのか(写真:イメージマート)
株式投資で億超えの資産を築いた“億り人”はどのようにして資金を投じる銘柄を選んでいるのか。会社員を続けながら資産1億円超えを達成した兼業投資家のキリンさんは、34歳で本格的に投資を始めた当初は失敗続きだったというが、その後に自身の性格やライフスタイルに合った投資スタイルを見つけ、資産1億円超を達成した。そこに至る経緯と銘柄選びの基準について、キリンさんに話を聞いた。
投資を始めたばかりの頃は、ネットの投資関連の掲示板の情報を鵜呑みにして株を買っては損をするという失敗を繰り返していたキリンさん。手探りの状態を1〜2年ほど続けた2017年頃、大きな転機を迎えることになる。それが個人投資家の集まる勉強会への参加だ。
「一番衝撃を受けたのは、周りの個人投資家の方々のレベルの高さです。彼らとの交流で学んだのは、特定の銘柄情報ではなく、『なぜその銘柄を選ぶのか』という物事の考え方や分析手法の重要性。当時、私が見ていたネットの投資関連の掲示板で飛び交っていたのは『この銘柄を買えば儲かる』という結論だけの情報でした。一方で、勉強会で語られるのは『こういう考え方で銘柄を見れば、優良な投資先が見つかる』というプロセス。このアプローチの違いは決定的でした。それまでの自分がどれだけ安易に投資をしていたかを痛感させられました」(以下、「」内コメントはキリンさん)
勉強会での気づきをきっかけに、キリンさんは自分なりの投資スタイルを模索し始める。様々な投資家の手法に触れるなかで、短期的な売買で利益を狙う手法は自分には向いていないと判断。自身の性格やライフスタイルに合わせ、「企業の業績や成長戦略を分析し、長く安心して持ち続けられる銘柄を選ぶ」という長期投資のスタイルにたどり着いた。
「私は短期的なチャートの動きを読むのが苦手だと自覚していました。そこで、企業の業績をしっかり分析し、長期で保有できる銘柄に絞ることにしたのです。具体的な基準としては、【1】年率15%程度の売上・利益成長が中長期的に見込めること、そして【2】PER(株価収益率)が10~15倍程度と割高ではないこと。この2つを満たす小型株が中心です。増配の継続もセットであれば、なおよしです」