有望銘柄を見つけても「高値掴みには要注意」とテンバガー投資家X氏は指摘する(写真:イメージマート)
5年8か月で運用資産561万円を10億円に増やした兼業投資家、テンバガー投資家X氏が失敗続きの投資から脱して「億り人」になれたのは、「IPO(新規公開株)セカンダリー投資」という投資手法に出会ったことがきっかけだったという。IPO銘柄は株価の変動幅が非常に大きく、10倍も期待できる反面、短期間で半値以下に急落してしまうことも珍しくない。テンバガー(10倍株)になり得る成長性の高い有望銘柄を見つけた時の注意点、買うタイミングを達人に聞いた。
割安なタイミングで購入
2024年に著書『トイレスマホで「無限10倍株」3年9カ月で5975万円を稼いだ投資術』(KADOKAWA)でも注目を集めたテンバガー投資家X氏は「資産を爆増させた原動力はテンバガー(10倍株)やバガー株(株価2倍以上)との出会いだった」と語る。
「2020年4月、駐車場のサブリースを手がけるアズーム(東証プライム・3496。2018年9月にIPO)を再取得し、この銘柄が2022年にテンバガーを達成しました。その後も株価は上昇し続け、2025年8月では買値から20倍になっています。2025年8月中旬時点で、テンバガー達成の2銘柄を含むバガー株29銘柄を保有しています」(テンバガー投資家X氏。以下、「」内、同じ)
「新規で取得するIPO銘柄は、年間5~10銘柄程度。上場を契機に大きな飛躍が期待できる銘柄を厳選したうえで、割安なタイミングで購入し、利益成長が続く限りは保有し続けるのが私の基本スタンスです。
株価の2倍・3倍成長、あるいはテンバガーを狙うには、早くても1~2年、通常は3~5年の時間が必要です。長期保有で株価の上昇を見守りつつ、外的な要因で一時的に株価が下がった時にはナンピン買い(保有株が買った値段より値下がりした時、その銘柄を買い増して平均購入単価を下げる手法)をし、株価が上がった時に一部を売却するといった形で、長期保有と短期間の回転売買をうまく組み合わせながら投資資金を増やしてきました」