ちなみに米国では、16日に景気動向をみるうえで注目される小売売上高、今後のインフレの行方をはかる輸入物価指数なども発表される。FRB議長の会見内容にも影響を与える可能性がある点で注目されよう。このうち小売売上高は、週次統計を見る限り堅調な結果になるとみられており、FRBのタカ派につながるものとみられる。駆け込み消費が引き続き一因になっていよう。ここで輸入物価指数の上昇が明らかになれば、今後の消費者物価指数(CPI)の上昇要因となり、利下げ継続の可能性を低下させるものにつながりそうだ。仮に、FOMCが出尽くし材料につながることになれば、米国ハイテク株安を通じて、東京市場でも足元の牽引役となっている半導体・AI関連銘柄の利食い売りを促すことになるとみられる。
国内での関心は自民党総裁選に集中しそうだ。22日が告示日となり、10月4日に投開票の予定となっている。石破首相の退陣、新総裁誕生は、今後の財政拡張につながるとの期待から、先週は退陣そのものが株高材料につながった印象がある。今後は、どの候補が新総裁になる可能性が高いのかで、株価の変動要因とされてこよう。現段階では5人の候補者が立候補するとみられており、とりわけ、小泉氏と高市氏の一騎打ちムードと考えられている。
なかでは、アベノミクスを受け継ぐ高市総理誕生を織り込むならば、もう一段の株価上昇につながりそうだ。高市総理誕生の場合は、日銀の利上げ時期はさらに先送りされる可能性も高いといえよう。いずれにしても、小泉氏、高市氏を軸としたテーマ物色の流れは強まる方向となるだろう。前者優勢なら農業、カーシェア、環境、銀行、大阪銘柄など、後者なら防衛、核融合発電、原発、量子コンピュータ、サイバーセキュリティ、不動産などが注目されそうだ。なお、日銀金融政策決定会合では大きなサプライズはないとみる。
今週にかけて、国内では16日に7月第三次産業活動指数、17日に8月貿易統計、8月訪日外客数、18日に7月機械受注、8月首都圏新築マンション発売、19日に8月消費者物価などの発表が予定されている。また、18日から19日にかけて日銀金融政策決定会合が開催され、19日には植田日銀総裁の会見が行われる予定。なお、15日は敬老の日で祝日となる。
海外では、15日に中・8月小売売上高、8月工業生産、8月都市部固定資産投資、欧・7月貿易収支、米・9月NY連銀製造業景気指数、16日に欧・7月鉱工業生産、英・8月失業保険申請件数、独・9月ZEW景気期待指数、米・8月小売売上高、8月輸出入物価、8月鉱工業生産・設備稼働率、9月住宅市場指数、17日に英・8月消費者物価、米・8月住宅着工件数、8月建設許可件数、18日に英・金融政策決定会合、米・7月対米証券投資、9月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、新規失業保険申請件数などが発表予定。なお、16日から17日にかけて米FOMCが開催され、17日にはパウエルFRB議長の会見、経済見通し発表が予定されている。