当選しなくてもIPO銘柄に投資できる手法
しかし、IPO時に証券会社から配分される株数は限られています。その権利はきわめてレアで、なかなか手に入れられません。証券会社は多くの資産を投資してくれている得意客に配分するか、抽選を実施して当たった人に配分する方式をとっています。前者はある程度の資産を持っていないと難しいため、抽選に応募することになりますが、この倍率は非常に高く、なかなか当選しません。
僕は抽選にせっせと応募していましたが、初値の高騰が予想される人気銘柄の抽選にはかすりもせず、結果は落選ばかり。営業担当者がついてくれるような対面の証券会社の上客であれば、魅力的なIPOを回してもらえるのでしょうが、当時の僕にそんな資力はありません。
まれに当選することもあったのですが、うまい話はないものでそれは不人気銘柄。初めて当選してワクワクしながら上場日を迎えると、初値は公募価格を下回るまさかの「公募割れ」。せっかく当選したのに、上場した瞬間から損失を出す有様でした。
IPOであっても必ず初値で儲かるわけではなく、銘柄の成長性が乏しくて人気がなかったり、大型の上場のために売り出す株式数が多すぎたりする銘柄は良い初値がつかず、公募価格を割ってしまうこともあるのです。
人気銘柄に当たればかなりの確率で儲かるけれど、そもそも抽選に当たりません。IPO投資も結局は、実現可能性に乏しいのだとがっかりしていたころに出会ったのが、「IPOセカンダリー投資」でした。IPOセカンダリー投資は、当選しなくてもIPO銘柄に投資できる手法です。
今振り返れば、この手法が僕に最もフィットする投資だったのでしょう。この手法に出会って以降、10年以上にわたってパッとしなかった僕の投資パフォーマンスは、突然うなぎのぼりに上昇を始めたのです。
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IPOセカンダリー投資で大きな成果を出したテンバガー投資家X氏が期待する2025年上場のIPO銘柄はどれか。関連記事『《6年弱で資産178倍の億り人・テンバガー投資家X氏が厳選の3銘柄》墓じまいや旅行者予約のニーズを獲得するストック型・多店舗展開型の注目企業が続々!』では、最新の注目銘柄と選んだ理由を解説している。
※テンバガー投資家X・著『トイレスマホで「無限10倍株」 3年9カ月で5975万円を稼いだ投資術』(KADOKAWA)を元に一部抜粋して再構成
【プロフィール】
テンバガー投資家X/兼業投資家。2003年、大学1年生の時に60万円を元手に株式投資を始める。様々な投資スタイルを試すが、どれもうまくいかず、ライブドア・ショック、リーマン・ショックなど数々の暴落相場に翻弄され、元手を減らすばかりだった。2019年。「IPOセカンダリー投資」と呼ばれる投資手法と出会い、以降は人が変わったように「神パフォーマンス」を出し続け、2019年末時点で561万円だった運用資産を2025年8月までの5年8か月で10億円に増やす。著書に『トイレスマホで「無限10倍株」 3年9カ月で5975万円を稼いだ投資術』(KADOKAWA)。