テンバガー銘柄の多くは情報通信・サービス業から生まれているという(写真:イメージマート)
株価が5倍、10倍――。5年8か月で運用資産561万円を10億円に増やした兼業投資家、テンバガー投資家X氏は、「IPO(新規公開株)セカンダリー投資」という投資手法に出会ったのを機に、多くの人が夢見るそんな展開を何度も実現させてきた。同氏は「手間をかけずテンバガー(10倍株)を含む2倍以上になる銘柄を探すには、IPO銘柄に狙いを絞るといい」と強調する。その理由とは――。
テンバガー投資家X氏が仕事やプライベートで忙しい投資家でも株式投資で成果を上げられる手法を説いた著書『トイレスマホで「無限10倍株」3年9カ月で5975万円を稼いだ投資術』(KADOKAWA)より一部抜粋・再構成して紹介する。
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テンバガーとは、株価が10倍になることです。「バガー」とはもともと野球用語で「塁打」を表す言葉で、二塁打はツーバガー、三塁打ならスリーバガーと言うそうです。実際はホームランであってもベースは4つしか進めませんが、一試合で「十塁打」するようなスター選手をイメージし、株価が10倍に成長する大化け銘柄を意味して米国のウォール街で使われるようになったそうです。
株価が10倍になる銘柄なんて、そうそう出合えないと感じる人は多いかもしれません。なにしろ、日本の株式市場には4000近い数の企業が上場しているのですから、そこからテンバガー銘柄を発見して投資するなんて、ハードルが高いと感じてもおかしくありません。
しかし、実はそんなことはないのです。僕が愛読している日経電子版で、とても興味深い記事を見つけました。
テンバガー銘柄の多くは情報通信・サービス業から生まれている
2022年3月4日に配信された「実は日本株の25%が10倍高 発掘する4つのポイントは」の見出しによる日経マネーの特集記事によると、リーマンショック時の最安値から2022年1月末までに10倍に株価が上昇した銘柄は946銘柄あったそうです。これは全上場企業の4分に1に相当する数字です。歴史的な暴落の後とはいえ、4社に1社が、テンバガーを達成しているのです。この記事が出た後の日本株市場はさらに上昇しているので、今ならテンバガーの割合はもっと増えているかもしれません。
この記事によると、これらの銘柄がテンバガーを達成するまでの期間は平均8.2年で、8割が5年以上かかっているそうです。4分の1とチャンスは大きいものの、株価10倍の恩恵を享受するには、ある程度の時間が必要であることがわかります。