インフレ時は「現預金リスク」に注意(イメージ)
日経平均株価が史上最高値を更新し、NISAやiDeCoなどお得な制度も整備され、投資への関心が高まっている。一方で、家計が持つ金融資産のうち、依然として半分以上を現預金が占める状況は変わっていない。投資によって億を超える資産を築いた“億り人”は「インフレの時は極力、現金を減らさないとダメだ」と説く。資産9億円で高配当株投資の達人として知られる元消防士のかんちさんにインフレ下の投資術について聞いた。
かんちさんは投資歴40年以上で、長期分散投資によって保有銘柄は600超、得られる配当収入は年2400万円にものぼる。加えて、金額換算で年間約120万円分の株主優待を手にしている。
かんちさんが現在のポートフォリオ(資産構成)について明かす。
「証券口座に運用資産として現物株が約9億円(内訳は高配当株5割、優待株3割,成長株2割)あり、ほかに3年分の生活費として3000万円ほどを残してあります。若い頃から買っていた金(ゴールド)は高騰し、300万円ほど投資したものが現在は2000万円ほどになっています」
単純計算で現金比率は約3%。総資産が巨額でなければ真似できないが、かんちさんの考えはシンプルだ。
「私のように60代以上であれば、ポートフォリオは1年分の生活費を除いてすべて株(日本株)に充ててもいいと思っています。まずは年金では足りない部分を補う1年分の生活費の目途をつけて、残りを運用する。そして、翌年も1年分を取り崩す、というやり方です。私の場合は年1回、1500万円を生活費として(総資産から)引き出しています」