「白タク」の運転手に話を聞く晴海フラッグ自警団(10月1日/筆者提供)
東京五輪の選手村を改修したマンション群「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」で異変が起きている。規約上民泊が禁止されている晴海フラッグでは、組織化されたグループの運営する「違法民泊」や「違法白タク」が横行しており、さらにはマンション内でリネンサービスやレストランなどが、中国人観光客向けビジネスとして展開されている。従事するのはいずれも中国人か中国系の人々だ。チャイナタウン化した一帯では住人との間でトラブルも続出。客待ちをしている白タク運転手の路上喫煙を注意した住人が唾を吐きかけられる事案も発生したという。
晴海フラッグには10前後の違法グループがあるといわれており、なかでも有力グループの1つと目されているのが中国系企業Z社だ。前代表は中国人、現在の代表X氏は日本人名だが、不動産関係者によれば「X氏は中国系で、中国語と日本語を話す」という。ジャーナリストの赤石晋一郎氏が、X氏を直撃した。
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鋭い目つきに長髪という出で立ちのX氏は、中国語訛りの日本語で質問に答えた。
──Xさんが違法民泊をしていると聞いている。
「誰に聞いてるんですか? 誰誰誰誰? だから部屋番号とか名前は? 証拠は?」
──違法民泊をしている?
「なんでお前に答えられなきゃいけないの。法律違反だと言うなら警察呼んできてよ。警察呼んで。呼んで!」
──白タクはやってますか?
「やってるよ。何?」
──法律違反ですよ。
「お前が決めるんですか。警察官の令状が出てきてからちゃんと来てよ。お前はダメだよ」
X氏は苛立った様子で筆者を何度も小突いた。