テクニカル分析は大別して2つ(「俺がカブ番長!」第10回より。イラスト/スズキサトル)
個人投資家にとって、企業業績などをチェックする「ファンダメンタルズ分析」は銘柄選びの常套手段。とはいえ、相場全体が膠着するような局面では、いくらファンダメンタルズ分析を重ねて意中の銘柄に投資しても期待通りに株価が上がらないこともよくある。一方で、日経平均株価が一進一退を繰り返すような局面でも激しい値動きを見せる銘柄が存在するのもまた事実だ。
「そんな銘柄は流動性の高い低位の材料株や新興市場に目立ちますが、ファンダメンタルズだけを見ていても、上がる理由が見当たらないことも多い。それはチャート上に示される材料をもとに『テクニカル分析』を駆使して売買する投資家も多く、その影響を受けるからです」と個人投資家向けレポートを提供するカブ知恵代表・藤井英敏氏は指摘する。
2008~2009年にかけて雑誌『マネーポスト』誌上で連載された情報量満載の株コミック『俺がカブ番長!RETURNS』の監修を担当した藤井氏は、「株式投資で成功するためにはファンダメンタルズ分析だけでは足りない。テクニカル分析も身に着けておくべき」と説く。
「テクニカル分析を得意とする投資家は、一見、相場が動いていないなかでも、株価が動きそうな銘柄を見つけ出して売買します。そしてそれが、相場を形成する大きな要因にもなっています。そうである以上、テクニカル分析を起因とした上昇気流にうまく乗ることができれば自らの投資を成功に導くこともできる。そのためにもテクニカル分析の知識を身に着けておくことは必須といえます」(藤井氏、以下同)
以下、主なテクニカル分析について、藤井氏が解説する。まずテクニカル分析は大きく分けて「トレンド系」と「オシレーター系」の2つに大別される。
【1】トレンド系(相場の方向性を示す)
…移動平均線、ボリンジャーバンド、パラボリックSAR、MACDなど
【2】オシレーター系(相場の過熱ぶりを示す)
…RSI(相対力指数)、ストキャスティクスなど