高市早苗氏が目指す“アベノミクス再現”が行き着く先はどうなるか(左から安倍晋三氏、高市早苗氏/時事通信フォト)
政局に揺れる永田町に呼応して、株式市場がにわかに騒がしくなっている。自民党総裁選で高市早苗氏が勝利すると日経平均株価は1日に2100円超高騰し、「高市トレード」(高市買い)と呼ばれたが、その後、公明党が連立離脱を発表すると週明けには日経平均が1200円超の急降下に。乱高下する株式市場の行方は政局次第の様相だ。今後の行方を識者はどう見るのか。
積極財政そのものが日本経済に大きな危険をもたらす
「高市氏の積極財政そのものが日本経済に大きな危険を招く」と警鐘を鳴らすのは、国際経済学者の浜矩子・同志社大学名誉教授だ。
「今の日本経済は、国民は物価高に苦しみ、その対策は遅れに遅れています。財政の悪化は限界に達し、金融政策も膠着状態で対応ができていません。格差是正はなされず、弱者は虐げられたまま。こういう時にこそバランスを正常化させねばならないのに、高市さんが主導権を握れば、それとは真逆の政策を取ろうとしているように見える。
高市さんがやろうとしているのはアベノミクスの再現です。大胆な金融政策、機動的な財政出動、民間投資を喚起する成長戦略の3つ。この方向感で行くと、日本国債が増発される可能性が高い。そうなれば、日本で英国のトラス・ショックのようなことが起きる危険がある」
こちらは政界再編も睨んで高市氏が積極財政を推し進めた場合にリスクが大きいとする見方だ。