ガールズバーで働く以外は家でゴロゴロするだけ
都内の大学に通う女性・Bさん(21歳)は、ガールズバーで働きながら推し活に励んでいるが、不登校気味で自宅から出られない日々が続いている。
「もともと、男性アイドルの追っかけをしたくて東北地方から都内の大学に進学したんです。大学で友達もできたし楽しいんですが、推し活のためにお金がかかるということで、サークルの友達と一緒にガルバ(ガールズバー)で働くようになった。もともと週に3日出勤、大学の5限が終わったあとに働く感じで、給与も現金手渡しだし、最高だなと思っていました。初めは授業との両立もできたし、お金も増えるし、充実していたんです」(Bさん)
そんなBさんの生活は次第に変化していった。その理由は「痛客」と、地元の友人との関係悪化だったという。
「ガルバを1年くらい続けている間に疲れてきて、あまり大学に行けなくなってしまった。初めに働いていた店舗で、いわゆる『痛客』みたいな男にストーカーされて、店の外で待たれたりとか、大学調べられたりとか……。すごく怖くて、友達と一緒に辞めて、別の駅にあるガルバに移りました。
あるとき、地元の友達から『地元で悪口言われてるよ。SNS見たけど、ガールズバーとかで働いてるの? パパ活もしてるんじゃないかって言われてるけど』と聞かされたんです。東京ではガルバで働いて、推し活をすることは普通だけど、田舎ではやっぱり『東京行っておかしくなった奴』という扱いらしくて……。そこから、SNSを全部消して地元の子たちと縁を切ったんです。
いまは基本、家に引きこもってゴロゴロして、何時間もTikTokを眺めていますね。ガルバの時間だけ出勤、授業はほとんど出てなくて友達に課題を教えてもらってどうにか単位を取る感じ。中国のネズミ人間は、めっちゃ共感しますし、日本でも増えていくんじゃないかなと思います」(同前)
怠惰や無気力な若者が、自らを自嘲気味に表現する「ネズミ人間」は、中国では社会問題となりつつあるが、その背景には長時間労働のつらさや、人間関係の疲れなどの問題が横たわっている。日本でも同じような事情から、「何もしない、何もできない」という無気力状態の若者が増えていくのだろうか。せっかく授業料を払って大学に通っているのに、もったいないという気持ちもあるだろうが……。