国内では7-9月期の決算発表が本格化してきており、今週は一転して個別物色中心の相場展開にもなりそうだ。中でも注目される決算発表は、11月5日のトヨタ<7203>、7日の三菱重工<7011>、フジクラ<5803>となってこよう。
トヨタの決算は米関税の影響度合いを探るものとなり、自動車関連株や米国輸出関連株の動向を左右するものとなってこよう。三菱重工の決算発表後の動向は、防衛関連株や造船株などの方向性を強めさせるとみられる。フジクラも決算評価次第で、他の電線株を始めとして、AI関連・データセンター関連に影響を及ぼしそうだ。とりわけ、フジクラの決算で出尽くし感が台頭するようであれば、AI関連株の下落を通して全体相場への悪影響も広がる可能性があろう。
米政府機関の閉鎖状態が長期化しており、経済への悪影響が懸念されている。また、現在揉めている予算案は11月21日までのつなぎ予算であるため、同予算案が議会を通ったとしても、その後に再度の政府閉鎖もあり得る状況といえる。雇用統計など重要な経済指標の多くが発表を延期されている状態にもあり、こうした中での株価上昇にはやや違和感も残るところ。
11月7日に予定されている雇用統計も発表が延期される可能性は高そうだ。国内同様に海外市場でも、今週は目立ったイベントが予定されていない。7カ月連続で拡大・縮小の分岐点である50を下回っているISM製造業景気指数、雇用統計の代替指標として注目が高まっているADP雇用統計などが、中では注目度が高まりやすそうだ。
米国企業の決算発表も先週までと比較すると、マーケットインパクトの強まりそうなものは乏しいだろう。半導体関連としては、AMD、スーパーマイクロ、クアルコムなどのほか、英アームが発表を予定している。アームに関しては、ソフトバンクG<9984>の株価を通して、国内株への影響波及の可能性はあろう。なお、米国株に関しては、7-9月期決算発表は全般的に株式市場に好影響を及ぼしており、今後の発表一巡は株価押し上げ材料の減少につながるとみられる。
今週にかけて、国内では11月5日に9月18-19日開催の日銀金融政策決定会合議事要旨、10月マネタリーベース、6日に9月毎月勤労統計、10月都心オフィス空室率、7日に9月家計調査などが公表される。なお、3日は文化の日で祝日となる。
海外では、3日に中・10月製造業PMI(RatingDog)、米・10月ISM製造業景気指数、10月自動車販売台数、4日に米・9貿易収支、9月JOLTS求人件数、9月製造業受注、5日に中・サービス業PMI(RatingDog)、米・10月ADP雇用統計、10月ISM非製造業景気指数、6日に欧・9月小売売上高、英・金融政策委員会、独・9月鉱工業生産、米・新規失業保険申請件数、7日に中・10月貿易収支、米・10月雇用統計、11月ミシガン大学消費者マインド指数などが発表予定。先週までと同様に、政府機関閉鎖の影響で米国の経済指標の一部は公表が遅れる可能性がある。なお、今週から米国市場は冬時間入りとなる。