管理不全空家や特定空家にしないためには、役所の勧告にすぐに従うほかない。
「まめに通って管理するのが難しければ、民間の空き家管理サービスや、地域のシルバー人材センターなどに見回りを依頼するのもいいでしょう。
いっそお金を払ってでも取り壊してしまえばいいと思うかもしれませんが、家を取り壊して更地にしても、住宅用地の特例が外れ、固定資産税が最大で6倍になります」(三原さん)
だが、取り壊さなければ、不要な不動産を国に引き取ってもらう「相続土地国庫帰属制度」が使えなくなるデメリットもある。
「2023年から施行されているこの制度を利用するには、その土地に建物が建っていてはダメ。利用価値がある土地でなければ、国も引き取ってくれません。しかも、この制度を使う際は20万~30万円の負担金がかかります」(板倉さん)
価値のある不動産をわざわざお金を払って国に渡すくらいなら、空き家バンクに登録するなどして売却し、ごくわずかでも売却益を手にした方がいいかもしれない。だが、売るなら早く検討した方がいい。
「心情的に、相続した不動産をすぐには売れずにいる話を聞くことがありますが、売却する場合、相続から3年以内なら、3000万円の譲渡所得税控除を受けられる可能性があります。売却はできるだけ、控除を受けられる期間中がいいでしょう」(中島さん)
(第2回につづく)
※女性セブン2025年11月27日号