閉じる ×
閉じるボタン
有料会員限定機能の「クリップ」で
お気に入りの記事を保存できます。
クリップした記事は「マイページ」に
一覧で表示されます。
マネーポストWEBプレミアムに
ご登録済みの方はこちら
小学館IDをお持ちでない方はこちら
大前研一「ビジネス新大陸」の歩き方

「直近業績が安定している老舗食品メーカー」「黒字化が視野に入った産直アプリ運営企業」…生成AIでは答えが出せない経営課題をどう導き出すか【ビジネス思考トレーニング「RTOCS」実例】

AIにはできない発想の飛躍

 あるいは、2024年10月に取り上げた、産直アプリ「ポケットマルシェ」を運営する「雨風太陽」のケーススタディはどうだったか。

 同社は、全国の農家や漁師から消費者に直接食材を届ける事業を展開しており、2024年12月期決算は売上高が前年比6.2%増の10億1600万円となり、5期連続で過去最高を記録。まだ赤字だが、営業損失は1億6100万円で大幅に改善した。2025年も業績改善の傾向にあり、事業の黒字化も視野に入ってきている。では、もし私が経営改革を託されたらどうするか。

 私なら、契約している農家や漁師たちにも雨風太陽の株主になってもらえないかと考える。そのヒントになるのはニュージーランドの酪農協同組合「フォンテラ」だ。フォンテラには同国内の約1万戸の酪農家が株主(組合員)として加入し、世界最大規模の乳製品輸出企業に成長している。

 それと同様に、雨風太陽の契約農家・漁師たちも、同社の成長に伴って配当を受け取れるようになれば、大きなモチベーションになるだろう。さらに、他の農家・漁師たちとの契約が広がれば、ますます好循環になっていく。

 もちろん、現実には様々な障害があるだろうが、事業拡大のチャレンジとして構想するのも一手だと思う。そして、国も業種も異なる雨風太陽とフォンテラをつなぐような発想の飛躍は、生成AIからはなかなか出てこないものだろう。

 これこそ経営に必要な思考訓練だと思うのだ。

(大前研一・著『RTOCS 他人の立場に立つ発想術』より一部抜粋して再構成)

【プロフィール】
大前研一(おおまえ・けんいち)/1943年生まれ。マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社長、本社ディレクター等を経て、1994年退社。ビジネス・ブレークスルー(BBT)を創業し、現在、ビジネス・ブレークスルー大学学長などを務める。新刊『RTOCS 他人の立場に立つ発想術』など著書多数。

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。