長期で月利12%ペースを達成するために
本章では、「月利12%が目標」という話をしました。この「12%」とは、あくまで「目安」であり、達成しないといけない“必達目標”ではありません。ニュアンスに注意しましょう。
「月利12%」あるいは「勝率65%」という数値目標がないと、「今月、月利50%が達成できたけど、もっとトレードした方が良いのかな?」と、何をどれだけ頑張ればFIREできるか分からない……となってしまいます。
しかし、この目安を持つことで、だいたい月利12%が達成できているから順調だな、と進捗を確認しながら進むことができます。
トレードの本質は、値動きの良い時期にしっかりとトレードし、値動きの悪い時期はトレードを避けることです。この相場のムラを知った上で正しいトレードをし、リターンをあげていき、「平均すると、だいたい月利12%ペースで増えていっているな……」ということが目指せればOKです。
繰り返しになりますが、値動きのない時期に、オーバートレードしないことが大切です(なかでも、ポジションを持ちたがることを、一般にポジポジ病と呼びます)。これが、多くの方がFXで苦戦している理由でもあります。
FXの利益=利確の金額ー損失の金額で決まるので、せっかくゴールデン手法で利益を獲得できても、それと関係のないポジポジトレードで、それ以上の損失を出してしまっては、元も子もありません。
例えば、「あと1勝すれば月利12%になる。チャンスは出てないけれども、トレードして、あと残りの2%を稼いでしまおう……」となると、相場やルールに合っていないトレードになってしまいます。
そういった思いつきのトレードをきっかけに、ドカンと資金を減らすことにつながるので、自分の欲望にしたがったトレードをしない・減らしていくことが重要です。上記の式のとおり、損失が減らせれば、自然と利益は上がっていきます。
このように考えると、正しいトレードの主語とは「相場」なんですね(※日本語的に合っているか微妙ですが、ニュアンスを汲み取っていただけたら)。
・相場が良かったから、今月は50万円を獲ることができた
・相場が悪かったから、今週は微益で問題ないな
・相場上のこのポイントが抵抗になりそうだから、それまでに利確だな
というように。
これが、安定して勝てていないトレーダーの場合だと、主語が全部「自分」になっているのです。
・(自分が)トレードしたくなったから、ついエントリーしてしまった
・(自分が)損したくないので、損切せずに放置してしまった
・(自分の)実力的には、今月マイナスの成績なのは、おかしい
など。
「全ては相場次第」。相場の値動きが良く、ロジックに当てはまった箇所だけトレードする。それを徹底することは、今回の月利12%の目安があっても変わらないので、この原則は忘れないようにしましょう。
このように、現実的な目標を達成していけば、元手が少なくても、そして、地道な月利であっても、3年でFIREを達成することが可能です。
※加藤ムネヒサ・著『元手30万円からわずか3年でFIREを叶える爆益トレード 黄金のスキャルピングFX』(KADOKAWA)より一部抜粋して再構成
【プロフィール】
加藤ムネヒサ/専業トレーダー。1982年、香川県生まれ。一橋大学商学部卒。大手保険会社入社後、経済的自由を夢見てFXを始めるも、自動売買で250万円の損失を出す。4年間FXで負け続けるが、毎日3時間、過去チャートを検証して独自の手法を開発し、月収100万円と年利300%を達成。FX5年目に独立を果たす。2016年にはYouTube「FXゴールドナビ」を開設。新著『元手30万円からわずか3年でFIREを叶える爆益トレード 黄金のスキャルピングFX』(KADOKAWA刊)が話題。関連記事では、加藤氏の最新インタビュー記事を掲載。自身が実践する「ゴールデン手法」や「儲けを狙える2つのチャンスタイム」について、詳しく解説している。