「会社四季報の予想や世間一般の予想をそのまま受け取ってはいけない、疑ってかかるべき」と語るyamaさんのX
時に激しい値動きを見せる株式市場にリスクはつきものだが、そこで何度も失敗しながら最終的に大きな資産を築いた個人投資家は、どのような戦略を持っているのか。2005年に株式投資を始め、最初の10年間は失敗続きで、数百万円の損失を出したという元金融機関勤務のyamaさん(47)。「自分は投資に向いていないのだ。“資産1億円”などということは一切考えないで、普通に生きていこう」と考えるほどに追い詰められたが、投資から手を引かなかった。
その後、大きな資産を築くきっかけとなったのは、自らが主宰する個人投資家交流会とIRセミナーを行う「Kabu Berry」だった。「参加してくださる方に喜んでもらえているので、その期待に応えるために投資も頑張ろうと思えるようになりました」という。昨年、Kabu Berryを法人化し、その活動が忙しくなったため今年3月に長年勤めた金融機関を退職したというyamaさんが、数々の失敗の末に掴んだ独自の投資法について語ってくれた。
「2014年の3月だったと思いますが、Kabu Berryのオフ会に参加した投資家から『今のKabu Berryのホームページはつまらない。毎日情報発信したほうがいい』とアドバイスされて、1時間半かかっていた通勤時間の行き帰りにスマホを使って毎日1社ずつ、ビジネスモデルや業績、株価の動きを分析し、それをKabu Berryのブログにアップすることを始めました。
この作業を繰り返したおかげで投資に必要な基礎知識が身につきました。『投資を始めて10年も経って何を言っているんだ』と突っ込まれそうですが、私にとっては大きな転機になりました」(以下「」内はyamaさんのコメント)
会社四季報の予想をそのまま受け取ってはいけない
yamaさんがその作業を通して見つけた銘柄のひとつが、結婚相談所などを運営するIBJ(東証プライム・6071)だった。
「10月か11月にたまたま月次決算を見ると、会員数が対前年比で50%くらい伸びていたんです。その前に出ていた『会社四季報』では、2014年12月の通期決算で15%ほどの成長が見込まれていました。『そんなに差があるなんておかしい。会社四季報の予想はかなり控えめなのではないか?』と思い、11月に手持ち資金の大半である200万円ほどを投資すると、3か月で1.5倍になったのです。
自分で考えて投資し、自分の見込み通りに展開した初めてのケースでした。この成功がきっかけで、『市場予測以上に成長すると“妄想”できる大化け期待の銘柄を探して投資する』という投資スタイルを確立しました。同時に、『会社四季報の予想や世間一般の予想をそのまま受け取ってはいけない、疑ってかかるべきだ』という教訓も得られました」
