老後の幸福度を左右するお金の使い方とは(イメージ)
もしも人生の最期に、あれをしておけばよかった、もっとこうすればよかった……と悔しい思いをするのは、悲しく不幸なことだ。そうならないためにも、老後資金は“貯めっぱなし”にするのではなく、自分のために使うべきだろう。では、何にお金を使えばいいのか──。専門家に話を聞いた。【後悔しない老後資金の使い方・全3回の第3回】
お金持ちより思い出持ち
ファイナンシャルプランナーでファイナンシャルリサーチ代表の深野康彦さんは、年をとったら物も人間関係もどんどん整理していくべきだと言う。
マネーコンサルタントの頼藤太希さんも、不要なつきあいや物を減らしていくなかで、「老後は思い出や経験にお金をかけて」とアドバイスする。
「ブランド品や時計、車などの『地位財』は一時の満足感は得られますが、幸せの持続性は短い。気の合う友人という資産を増やし、お金持ちならぬ“思い出持ち”になることが老後を豊かにしてくれます」
神奈川県に住む女性・Bさん(65才)は、やりたいことをやらずに年を重ねてしまった母を“反面教師”に、昨年、自分の娘とヨーロッパ旅行に出かけた。
「死ぬまでにパリに行って、凱旋門とベルサイユ宮殿を見てみたかった。いつか、いつかと思っていてもそのいつかは来ないこともある。思いきって訪れたパリは、最高でした。しかも、一生に一度だからとビジネスクラスで。とっても快適で、夢のようでした。貯金はたしかに減りましたが、またビジネスクラスで旅行に行こうと、そのために資格をとって働き始めることにしました。イタリアで本場のピザを食べるために頑張って稼ぎますよ」(Bさん)
山梨県の主婦、Dさん(56才)はこの秋、夫とキャンプデビューを果たした。
「子供が小さい頃に何度かやったきりで、道具も全部買いそろえました。ケチらず高価格帯のテントや寝袋を選んだので、昔とは比べものにならない質のよさ。外で食べる食事は格別だし、たき火で心が整って、夜はぐっすり眠れました。帰りに立ち寄った温泉も最高。普段は家にいても会話がない夫ともゆっくり話せて、夫婦ふたりきりの老後に希望が持てました(笑い)。
まだ2回しか行っていませんが、キャンプ道具を集めるのが楽しくて、来年の春に備えてついつい散財しています。でも旅行に行くことを考えたら全然安いし、体が元気なうちにチャレンジしてよかったです」
