資産10億円超の株億太郎さんが長い投資遍歴から学んだこととは(本人のXより)
折からのAI(人工知能)・半導体ブームに女性初の内閣総理大臣・高市早苗首相の誕生も相まって、株式市場は調整が入りながらも日経平均株価5万円前後の史上最高値圏で推移している。振り返れば、日経平均が現在のような非常に大きな山となったのは3万8915円をつけた1989年末のこと。それから35年も最高値を更新することなく、「リーマン・ショック」に「コロナ・ショック」、2025年4月にも「トランプ関税ショック」に見舞われるなど、幾度も暴落を繰り返してきた。
そんな相場の歴史を目の当たりにしてきたのが、株式投資で資産10億円超を築いた“億り人”である兼業投資家の株億太郎さんだ。その長い投資遍歴から学んだことはなにか、話を聞いた。
最初に買った2銘柄は暴落
株億さんの投資歴は「バブル崩壊」から始まったという。
「20代後半、バブル崩壊直前の1990年ごろでした。当時は猫も杓子も株をやっていて、周囲で『きれいな証券外務員のお姉さんがいる』と評判になっていた証券会社の窓口に『じゃあ、行ってみよう』と好奇心で訪れたのがきっかけです。私は株の買い方すらよくわからなかったのに、そのセールスレディの方にいい顔しようと、『何がいいですか?』と聞いて薦められた三菱地所と三井不動産の株を800万円分も買ってしまいました(笑)。銀行で定期預金をおろしてきて。いま思えば2社の株価が一番高い時でした。
その後、2社の株価は半年で半分、1年で3分の1になるほどの暴落に。結局、元手を半分ほど減らして約400万円で株を手放しました。その証券会社が1997年に破綻(自主廃業)した山一證券でしたから、なんとも不思議な巡り合わせですよね」(以下、「」内コメントは株億さん)
それからしばらく投資からは距離を置いていた株億さんだが、株式投資への好奇心から地場証券の支店に通うようになり、再び投資の道に舞い戻った。今度は資料を集めたり、『会社四季報』を買ってきて自分で調べて銘柄を選んだりと試行錯誤を繰り返したが、大損こそしないものの、大儲けにもつながらない日々が続いた。
「でも、楽しかった。趣味だと思えばいいやと思って株式投資を続け、さまざまな勉強も始めました」
新聞紙2枚分の巨大な方眼紙を投資に活用
そんなある時、株億さんが経営する会社の顧問税理士が、投資にドハマリしていることを知る。彼は手書きで方眼紙にチャートを書き込み、分析を繰り返していた。株億さんもそれにならって、新聞紙2枚分もある巨大な方眼紙にチャートを手書きする作業を始めた。来る日も来る日も書き続けたが、それでも株式投資ではなかなか儲からない。
だが、そうした日々を経たことで、手にしたものは小さくなかった。
