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中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

「地方では車がなくては生きていけない!」は本当か? 佐賀県に引っ越した“運転できない50代男性”が考える、車なし生活を実現できる条件と意識しておくべき心構え

地方都市ではどこに行くにも車が必要になるというが…(イメージ)

地方都市ではどこに行くにも車が必要になるというが…(イメージ)

 地方都市で生活するなら、車は生活必需品と言われる。公共交通機関が発達している都心と異なり、日々の生活のちょっとしたところで車の出番が出てくるだろう。そうしたなか、2020年に東京から佐賀県唐津市に引っ越したネットニュース編集者の中川淳一郎氏(52)は、「私は車の運転ができないけど、この5年間なんとか生活できています」と語る。その秘訣は「人に頼り、お礼をすることに尽きます」という。地方都市で車を持たずに生活する人の心構えを、中川氏がレポートする。

 * * *
 高齢者が自動車事故を起こすとネット上では、「免許の年齢制限を作れ!」「さっさと免許返納しろ!」といった批判が巻き起こりますが、それに対しては「地方では車がなくては生きていけない!」という反論が来るのが定番です。

 私も東京時代の知人と会うと「今は車を運転してるの?」とよく聞かれますが「いや、していない」と言うと「どうやって生活しているの?」と驚かれます。基本は徒歩です。会社に通勤するわけでもなく、仕事は自宅でできるので、車なし生活が可能なのです。もしも工場等に勤務していたら絶対に車は必要だったはずです。

 いま住んでいるのは、街の中心部に近いため、買い物も飲食も徒歩で余裕です。特に飲み会については、そのエリアでやることが多いので、いつでも歩いて通います。運転代行なんか考慮する必要もありません。半径1.5kmぐらいをを生活圏内としているため、なんとかなっています。平地なので自転車に乗ってもいいかな、と思ったものの、海からの風ですぐに錆びてしまい、使い物にならないので諦めました。

 というわけで、「地方では車が絶対に必要でしょ?」と言われた場合は「通勤せず、子どもの部活等の送り迎えがなければなんとかなる」が私の答えとなります。しかし、車がどうしても必要となる時はあります。その時は、もう知人に甘えるしかありません。

車に乗せてくれる人たちにかかっているコスト

 車が必要になるタイミングとは、温泉へ行く時、山間部のお宅をお邪魔する時、釣りに行く時など様々ですが、地元・唐津の知人たちは親切に「ピックアップしますよー!」と言ってくれます。毎度、私はその厚意に甘えることとなります。彼らは「よかよかー、中川さんは運転できんもんね」と鷹揚に構えてくれますが、彼らの存在なしに楽しい人生は送れないといっても過言ではない。

 となると、いつも車に乗せてもらうお礼をどうするかが重要になります。何しろガソリン代は余計にかかるし、運転中の事故リスクもある。くわえて私をピックアップするために10分早めに出るなど、色々負担を強いているので、こちらも甘えるだけでなく、その恩義を返さなくてはいけない。そもそも、重量税や車検代もあるわけで、車を持つコストはかなり高いです。

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