こども食堂の利用実態は?(イメージ)
全国的に拡大している「こども食堂」。認定NPO法人・全国こども食堂支援センター・むすびえが2025年12月に発表した2025年度の「こども食堂 全国箇所数調査」(速報値)によると、全国のこども食堂の数は前年度の10867から約2000件増え、過去最高となる1万2601件。大人・子どもの利用者数は年間のべ2533万人、子どもだけで1732万人となっている。経済的困難や家庭の事情で十分な食事をとれない子どもを支援するなどの目的から、各地で自発的に運営されている。
しかし、近年その現場では、“想定外の利用”も横行しており、運営者を悩ませている側面もあるようだ。なかには、塾に通わせる経済的余裕がある家庭や、共働きで忙しい家庭が、夕食の節約や子どもの預け先として利用するケースもあるという。その実態について関係者に話を聞いた。
食べ終わった後に塾の宿題をしている
都内にあるこども食堂でボランティアスタッフをしている女性・Aさん(60代)。かねてより食育に関心があり、自分の子どもが無事に成人したことをきっかけに、「地域の子どもにも、たくさん食べて育ってほしい」との思いから、こども食堂に携わるようになった。
8年ほど続けているこの活動だが、コロナ禍以降の利用実態に、頭を抱えているという。
「正直、最近は疑問に感じる利用者が増えています。以前は、本当に家庭に課題を抱えていたり、経済的な支援が必要だとわかる親子が利用していたんです。しかし、コロナ禍以降は中学受験の塾のリュックを背負っている子や、明らかに良い身なりをしているお子さんも増えています。食べ終わった後に、そのまま塾の宿題をしていたり……。他の地域の食堂では、子どもを連れてきた親同士が、わいわい雑談しながら食べていくところもあるそうです。
食材は寄付を基本とし、スタッフもボランティアで運用していますから、無制限には許容できません。とくに最近はお米も野菜も高いので、運営上のコストもかかる。ただ、『困っていない家庭は来ないで』なんて言えませんし、子どもは悪くないので、頭を抱えてしまいますね。それから、本当に支援が必要な家庭の子どもほど、そういう『塾の勉強をして盛り上がっている子たち』を横目に、遠慮してしまいがち。だんだんと足が遠のいて、来なくなった子たちもいるんです。むずかしい問題ですよね」(Aさん)
