居室フロアでは「臭い」も気にしたい。
「尿臭や便臭がしたら、単に掃除不足というだけでなく、排泄介助が適切に行なわれていない可能性があります。入居者の排尿や排便周期を把握し速やかにおむつ交換をしていれば、フロアに臭いは漏れません」(小嶋氏)
建物内の設備では何に注目すべきか。
「既存施設をリフォームした低価格帯の施設では、居室の扉がスライド式ではなくドアタイプの場合があり、車椅子での開閉に困難があります。またエレベーターは広さに注目です。ストレッチャーが運べるサイズかどうかは、緊急時の対応に大きな差が出ます」(伊藤氏)
寝たきりの人が入浴できる寝台浴があるかどうかも要チェックだ。
「予算やスペースの問題で、寝台浴設備がない施設も存在します。要介護度が進んだ時にお風呂に浸かれず、タオルで拭く『清拭』のみの対応になる可能性があるため、将来を見据えて必ずチェックすべきです」(同前)
食堂の「空席」に注意
入居後の生活を知るうえで、現入居者の様子を観察することも重要だ。
「髪のボサボサ、髭の伸び具合などはわかりやすいポイントです。また衣服が汚れていたり、季節感のない服を着ていたり、寝巻き姿で一日中過ごしているようであれば、衛生面への配慮が行き届いていない可能性があります」(伊藤氏)
小嶋氏は、食事時の見学であれば、食堂の「空席」からわかることがあると言う。
「食堂の空席が目立つ施設は要注意。経管栄養(※病気や嚥下障害などで食事ができない人に、チューブを使い胃や腸に水分・栄養を補給する処置)などで食事ができないからと居室のベッドに寝かせきりにするのは、生活の質の低下を招きます。優良施設は、食べられない利用者でも食事時には車椅子に乗せて食堂へ連れ出し、離床を促すケアを実践しています」
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※週刊ポスト2026年2月6・13日号