小嶋氏は、面談時に職員の「勤務表」を開示してもらうことを提案する。
「勤務表を見て確認すべきは、介護主任など中心的な役割を担う職員が昼間に勤務しているかどうか、です。そうした中心職員が夜勤に回っている施設は人手不足であることが明らか。責任ある立場の職員が昼間に不在の施設は避けたほうがいいでしょう」
老人ホームのなかには、医療サービスを担う看護師の「24時間常駐」を売りにする施設があるが、重要なのはその看護師の「キャリア」だという。
「ほとんどの老人ホームに常駐医師はおらず、看護師自身が適切な対応を判断しなければなりません。望ましいのは、『救命救急』や『救急外来』などの経験者で、入居者に何かあった時の初動判断が適切にできる人です。とはいえ、見学時に施設側から積極的に看護師と話をする機会を設けてくれるわけではないので、こちらから話をさせてくれるよう頼み、できれば看護の責任者に直接経歴を聞いてみると良いでしょう」(小嶋氏)
退去要件を確認
見学や面談後も、見積書や契約書、約款をきちんと読み込まないと、入居後に大きなトラブルに繋がる恐れがある。
「信頼できる施設なら、見学時に『見積書』で費用の詳細を提示してくれるはずです。そこにはパンフレットに載っていない訪問診療費や備品のレンタル代などが記載されているので、必ず確認してください。
また、3か月以内の退去で入居一時金が返還される『短期解約特例』(クーリングオフ)の起点日は施設ごとに異なるため、それが契約日なのか、入居日なのか、入金日なのかを契約書や重要事項説明書でしっかり確認する必要があります」(小嶋氏)
入居者や家族は「終の棲家」のつもりでも、病気の進行など状況によっては退去を申し渡される場合があることも忘れてはならない。
「契約時の重要事項説明書には『退去要件』なども載っています。面談時には具体的な想定をもとに質問しましょう。特に、退去のきっかけになり得る病気の進行については、『入院した後、どんな病状なら再び施設に戻れるのか』は詳しく確認することをお勧めします。過去に退去となった事例について聞いてもいいでしょう」(伊藤氏)
老人ホーム選びでは、“人生の最晩年”に備える心構えが必要だ。
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※週刊ポスト2026年2月6・13日号