パチンコ業界が取り組む依存症対策の「自己申告・家族申告プログラム」
ホールに申告することで使用するお金や来店回数の上限を決めることができる
“自己申告・家族申告プログラム”は高く評価
今回、最優先された「ギャンブル依存症対策」について保安課長はどのような話をしたのか。
「2025年は、3月に新たなギャンブル等依存症対策推進基本計画が策定され、9月にはギャンブル等依存症対策基本法が改正されるなど、ギャンブル依存症対策に関するさまざまな動きもあったほか、警察庁もオンラインカジノ対策に取り組んでいました。そういった1年だったことを前提としたうえで、保安課長はパチンコ業界に対し、依存症対策への取り組みをより強化してほしいと話しています。
また、パチンコ業界全体で“自己申告・家族申告プログラム”の利用促進に取り組んでいることを評価しつつ、申告者の家族などへの周知の強化、個人認証システムなど、さらなる積極的な取り組みを期待していると話していました」
“自己申告・家族申告プログラム”とは、パチンコ・パチスロへののめり込みを防ぐために、ユーザーや家族がホールへ申告し、遊技に制限をかけるプログラムのこと。ユーザーの自己申告で1日に使用する金額、1か月での来店回数、遊技時間などの上限を設定できるほか、ユーザーの家族がユーザー本人の入店の制限を申し込むこともできる。
店舗によって対応するプログラムは異なるものの、全国の多くのホールでこの“自己申告・家族申告プログラム”が導入されている。こういった取り組みが警察庁から評価されているのは間違いなさそうだ。
「オンラインカジノ問題が世間から注目されたことがあるのはもちろんですが、大阪の統合型リゾート(IR)が2030年開業に向けて整備がすでに始まっていることもあり、警察庁もギャンブル依存症対策については、これまで以上に真剣に取り組む方針なのだと思います。だからこそ今回の講話でも、広告宣伝の話より先にギャンブル依存症の話が出てきたのではないでしょうか。
オンカジ問題でギャンブルに対する風当たりが強いなか、IRを開業するには依存症対策は絶対に避けて通れないですし、より確実な依存症対策を実現するためにも、パチンコ業界における取り組みは今後の参考になるはずです。パチンコ業界だけでなく、日本のギャンブル産業全体を見越したうえでの講話だったようにも感じられます」
依存症対策がより深化されていけば、パチンコ業界の健全化にも繋がっていき、さらには安心して楽しめる娯楽として新たなユーザー開拓が可能となるかもしれない。長らく低迷するパチンコ業界の復活のためには、依存症対策もまた重要なミッションと言えそうだ。
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