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河合雅司「人口減少ニッポンの活路」

2040年「東京圏」の余剰人材は約200万人と推計、特に「事務職」採用は熾烈な競争に なぜ「労働需要のミスマッチ」が起こるのか? 政府に求められる新たな対策

日本では「事務職」のAI失業が先行して起こる

 ここまで「2040年の就業構造推計(改訂版)」を基に労働需要に関する3つのミスマッチの概要を確認してきたが、そもそもなぜこれほど大きなミスマッチが起きるのだろうか。

「現場人材」が不足する要因として考えられるのは、低生産性の職場が少なくないことだ。仕事内容の大変さの割に賃金が低く、不人気となっているのである。大学進学率の上昇によって「高卒就職者の不足」が加速したことも遠因になっていると言えよう。

「現場人材」の不足については、現状では外国人労働者に活路を見出す企業が少なくないが、低スキルの外国人への依存を大きくし過ぎると、ますます日本人の採用が困難になりかねない。それで低生産性が温存されてしまえば、中長期的には企業の競争力自体を削ぐことにもなる。本来目指すべきは生産性の向上のはずである。

 一方、「事務職」でこれほど大規模な余剰が生じる見通し(437万人と推計)となった最大の要因は、AIによる生産性の向上だ。いわゆる「AI失業」である。

 AIが得意とする定型スキルの業務は代替がかなり進むと見られているが、経産省は、「事務職」については32%がAIに置き換わり、AIの性能が進歩した場合には代替率はさらに23%増えて、最大55%が代替される可能性があるとしている。

 AI失業に関しては、米国では大規模なリストラが展開されている。巨大テック企業をはじめ、AIによる業務代替に備えて早期に人員削減や採用抑制を進めようという動きが始まっているのだ。コンピューターサイエンスを学んだ超一流大学の新卒者が就職難に陥っていると伝えられる。

 これに対し、日本では「AIロボット人材」が大幅に不足するとの予測であり、様相が異なっているが、その理由としてはデジタル化やAI投資の遅れや少子化で若い年齢層が激減しているという特有の事情がある。日本においては「事務職」のAI失業が先行するということである。

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