「二次相続」はトラブルの可能性大
あえての“自分飛ばし”で二次相続のトラブルを回避
二次相続のトラブルのもととなりやすいのが不動産だ。分けにくく、動かしにくいうえ、相続税がかかりやすく、そもそも処分できないことも少なくない。
「例えば、2人きょうだいで自宅など1つの不動産を法定相続分どおりに分けるために共有名義にした結果、きょうだい間で修繕や売却の判断が分かれたり、固定資産税の支払いなどをめぐって争いになることが多くあります。また、預貯金が少なく財産のほとんどが不動産の場合は、きょうだいの一方が家を相続し、もう片方が残りを相続するとなると、金額に不平等が生じてしまう。
法定相続分に従えばきょうだいは平等な金額でなければならないため、不動産を売ったお金で代償金を払わなければならなくなり、家を失ったりと、争いになることがあるのです」(太田さん・以下同)
不動産に限らず、一次相続以前に、高齢の親が亡くなる前に、自分を飛ばして孫(自分の子)に生前贈与してもらう方法もある。
「年間110万円までは贈与税がかからず、孫は法定相続人ではないため、“亡くなる7年前までの贈与は相続時に課税対象になる”というルールの適用外。孫への贈与は相続税対策としても、二次相続対策としても有効です。
ただし、複数人いる孫のうち誰か1人だけに贈与したり、反対に誰か1人に贈与できなくなったりしては結局争いになる。制度上の有利不利だけで判断せず、家族全員が納得できるように書面に残しておくなど、配慮が必要です」
太田さんは、親から子への相続でのトラブルを避けるもっともシンプルな方法は「生きているうちにお金を使い切ること」だと話す。
「次の世代に残すだけが正しいわけではありません。せっかく自分で稼いだり、親や夫から相続したお金ですから、すべて自分のために使い切っていいはずなのです。節税のことばかりではなく、自分が生きている間、家族と一緒にどれだけ幸せに楽しく暮らせるかを最優先することこそ、いちばんの相続対策になるのではないでしょうか」
もらうのも、使うのも、託すのも、自分の思い通りにできるのは元気なうちだけ。親子が互いに年を取ったいま、人生の最期に向き合うなら早い方がいい。
(第1回から読む)
※女性セブン2026年3月5日号
