「二次相続」のトラブルを回避するために何ができるか(イメージ)
75才以上の人口は昨年末時点で約2100万人を超え、日本人の6人に1人が後期高齢者となる。この超高齢社会において、60代の「子」が80代以上の「親」から財産を受け継ぐ「老老相続」の問題が増加中だ。相続をする方もされる方も、ともに高齢であることで、さまざまな相続トラブルが発生しやすくなり、場合によっては損をすることにも。「そのとき」に後悔することのないよう、知識を蓄えておこう。【全3回の第3回】
一次相続で表面化しなかった不満が二次相続で噴出
老老相続では、“親からの相続が終わった”ことはゴールではなく「スタート」になることも。自分が60代、70代で親から財産を相続したということは、その後数十年、早ければわずか数年で、自分から子供への相続が発生するからだ。
一般的に男性より女性の方が長生きすることが多く、先に夫が亡くなり、次に自分から子供への「二次相続」となる。そして二次相続は特に揉めやすく、相続税の問題も生じやすい。司法書士・行政書士の太田昌宏さんが言う。
「一次相続では表面化しなかった不満が、二次相続で噴き出しやすいのです。父も母も亡くなって子供たちだけが残されるため、子供同士の関係性によって争いになるケースが多く見られます」(太田さん・以下同)
そもそも、配偶者からの相続は、1億6000万円までは相続税がかからない。このため、一次相続ではすべての財産を母親が相続するケースも多い。だが、実はそれは問題を先延ばしにしているだけだ。
「一次相続で母親がすべての財産を相続すると、二次相続ではそこに母親自身の財産が合算されたものを子供たちで分けることになるため、相続税が高くなりやすいのです」
亡くなった父(夫)の不動産を母(妻)が相続するのではなく、先に子に渡す方がいいケースもある。ベリーベスト税理士事務所の税理士・中島麻子さんが言う。
「妻が相続した不動産を二次相続で子供に渡すと、登記の手間が1回分増えます。不動産は父からの一次相続で子供に先渡しすることで、手間を減らすことにつながります」
