そもそも「覚書」とは、約束事を忘れないためのメモの意味です。契約書に比べれば重要性が劣る印象があるのは否定できませんし、一般的にも契約書に付随する具体的な事項、あるいは事務的な事柄についての取り決めを覚書で合意することが多いでしょう。
しかし、覚書でも双方がサインをすれば合意が成立し、その合意が成立したことの有力な証拠となります。心配はいりません。
なんにせよ、雇用関係を会社と結ぶのは労働者にとっては重要なこと。双方が対等の立場で署名して契約条件を確認し合う契約書の作成を願う気持ちは理解できます。実際に多くの会社では、雇用契約書を締結しているのが現状です。
【プロフィール】
竹下正己(たけした・まさみ)/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。
※週刊ポスト2026年3月20・27日号