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《永守帝国崩壊》ニデック創業者・永守重信氏に浮かび上がった“引き際を見誤った”経営者の姿 社内は「どうすれば永守会長に怒鳴られずに済むか」ばかり考えるようになっていた

第三者委員会の調査報告書の発表を受けて記者会見する岸田三哉・ニデック社長(中央/時事通信フォト)

第三者委員会の調査報告書の発表を受けて記者会見する岸田三哉・ニデック社長(中央/時事通信フォト)

 京都のプレハブ小屋からスタートしたモーター会社のニデックを一代で売上高2兆円企業に成長させた創業者・永守重信氏(81)。カリスマ経営者として半世紀にわたり手腕を振るったこの男が名誉会長を辞任した。会計不正問題に揺れる同社がなぜ「永守帝国」と称されるような存在になり、崩壊へ至ったのか。ジャーナリストの竹中明洋氏がレポートする。【第3回】

「どいつもこいつもやる気なしの無責任野郎」

 ニデックの会計不正を調査した第三者委員会は、不正はグループ内の多岐にわたる拠点で多数行なわれ、その件数は1000件を超えるとした。調査報告書は、永守氏が不正を指示・主導した事実は発見されなかったとしながらも、その原因を永守氏に起因する過度な業績プレッシャーにあると断じた。達成不可能なまでに高い業績目標を課しておきながら、達成できないとみると激しく罵倒したのである。

「どいつもこいつもやる気なしの無責任野郎ばかり揃いやがって! 経営音痴の数字づくりではどんどん目線が下がっていく。却下だ。全員やめてくれや!」

 調査報告書に引用された永守氏のメールだ。その一方で、永守氏は第三者委員会のヒアリングにこううそぶいた。

「高い目標を掲げてそれを達成するために必死に取り組んで初めて会社は成長する。たとえ目標を達成できなかったとしても、必死に取り組んだ人間は成長してその後成功する」

 だが、「永守氏の不興を買うことを恐れて不都合な情報が上がらない状態になっており、近年の永守氏は事業の真の実力を把握できていなかった」との経営幹部の証言からは、永守氏が裸の王様になっていたことがわかる。

【プロフィール】
竹中明洋(たけなか・あきひろ)/1973年、山口県生まれ。NHK記者、衆議院議員秘書、「週刊文春」記者などを経てフリージャーナリストに。著書に『殺しの柳川 日韓戦後秘史』、『決別 総連と民団の相克77年』(ともに小学館)などがある。

※週刊ポスト2026年4月3日号

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