IPO投資の魅力と銘柄選びのポイントとは
中東情勢の緊迫化をきっかけに原油価格が急騰し、世界経済への悪影響を懸念する見方から株式市場は大荒れとなった。6万円台に迫る勢いだった日経平均株価も大きく乱高下するようになり、投資家たちの間にも警戒感が広まっている。こうした波乱含みの相場環境のなか、有効な投資手法として注目されるのが新規上場株への投資(IPO投資)だ。IPO投資を軸に2億円を超える資産を築いた兼業投資家のJACK氏に、その魅力と銘柄選びのポイントについて聞いた。
リーマン・ショックや東日本大震災など、株式市場への強烈な逆風を経験しながらも着実に資産を積み上げてきた投資歴約40年の兼業投資家であるJACK氏。そんなJACK氏は新刊『超インフレ時代でもお金に困らない株投資術』(扶桑社)でもIPO投資を推奨し、「兼業投資家にとって相性がいい“楽に狙える”投資手法」と言う。
「“楽”という言い方が適切かは分かりませんが、証券会社に申し込んで上場日を待つだけ。チャートや出来高を毎日追いかける必要もありません。ブックビルディング(上場前の需要申告)で当選したら、上場日に指値で売るだけです」(以下、「」内のコメントはJACK氏)
IPO株は公募割れを避けるために、公開価格が割安に設定されるケースが多い。そのため、IPO株の抽選に当選すれば公開価格を上回る値で売却できることが多く、利益を得やすいというのだ。
「この銘柄はどれくらい人気が集まりそうか、という点のみで判断ができるため、非常にシンプルです。指標やテクニカル面を細かく考える必要もない。チャートに張り付く必要がないため、私のような兼業投資家にとっては効率的で、ライフスタイルにも合っています。だから続けやすいとも言えますね」
19万円が初日に100万円に
一度でもIPOで利益を得ると「別腹投資のような感覚になる」とJACK氏は語る。JACK氏がIPO投資を始めた原点は、2002年のシンプレクス・テクノロジー(現シンプレクス・ホールディングス)のIPOだ。当時はIPOの知識もほとんどなく、株式投資で巨額の含み損を抱えていたという。
「証券会社に勧められて応募しました。公募価格は19万円ほどで、事業内容など企業のこともよく分からない状態でした。ただ、当時含み損を抱えていたため、19万円が10万円になったとしても、誤差だしな……という軽い気持ちで応募しました」
ところが上場日、初値で99万9000円といきなり5倍超の上昇となった。そこで売って、80万円ほどの利益を手にすることになる。
「ブックビルディングに応募しただけで、こんなにあっさり利益が出るのかと衝撃を受けました。そこから本格的にIPO投資を始めました」
その後も、第一生命ホールディングスのIPOで1200万円ほど、日本郵政グループ3社のIPOで400万円ほどの利益を得たという。
「銘柄選びを誤らなければ、小銭稼ぎにもなり、時には大きく利益を得ることができるのがIPO投資です。上場する企業をしっかり見極めることが何より大切です」
