*12:33JST サイオス Research Memo(3):OSSとAI技術で企業のIT化を支援(2)
■サイオス<3744>の会社概要
2. 事業内容の続き
(2) コンサルティング&インテグレーション
コンサルティング&インテグレーションは、情報システムの企画から開発・運用にわたるコンサルティング及びシステムインテグレーションサービスとなり、API※ソリューションや文教領域における統合認証ソリューション、金融業界向けのシステム開発・保守、生成AI導入支援、電子カルテ等の医療DX支援サービス等が含まれる。
※ Application Programming Interfaceの略。異なるソフトウェアやアプリケーションを連携させ、効率的に機能やデータを共有するための仕組み。
APIエコシステムデザインは、APIをハブにして自律的にネットワークと経済圏が成長していく仕組みを構築・サポートするサービスである。APIソリューションについては大手SIerなども進出しているが、同社はOSSをコア技術として複数のAPIマネジメントサービスやDevOpsツールのなかから、顧客の規模やシステム環境、今後の経営戦略など顧客視点にたって、ベスト・オブ・ブリード※の考え方に基づいた提案を行えることが強みとなっている。大手SIerでは自社製品や特定の製品を優先して提案する傾向にあり、顧客にとってオーバースペックとなるケースもある。同社はAPIを単なる「技術的な接続口」としてではなく、「新たな収益源(マネタイズの手段)」や「パートナー企業とのエコシステム構築の要」として捉え、ビジネスデザインの段階からコンサルティングに入れる点も強みの1つとなっている。各種SaaSベンダーと積極的に提携し、ラインナップを拡充することで顧客企業の多様なニーズに応え、顧客企業はAPIを通じて他社のソフトやサービスを組み合わせることで、より付加価値の高いサービスを迅速かつ低コストで提供することが可能となる。
※ ベスト・オブ・ブリード(Best of Breed)とは、様々なベンダーの製品の中から、業務分野ごとに最も優れた製品を選択し、それらを組み合わせることによってITシステムを構築する手法。
生成AI導入支援サービスは、Microsoft<MSFT>が提供する生成AIサービス「Azure OpenAI Service」の導入や活用を支援する「Azure OpenAI Service技術コンサルティング」や、RAG※を用いて社内ナレッジを基に回答を生成するAIチャットボットの導入支援サービスなどを提供している。
※ RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)とは、大規模言語モデル(LLM)に外部データの検索情報を組み合わせ、より正確で根拠のある回答を生成する技術。
(3) ソフトウェアセールス&ソリューション
ソフトウェアセールス&ソリューションでは、国内外の先端ソフトウェアの販売と技術支援サービスを提供している。主力はRed Hat, Inc.関連商品で、アジア・パシフィック市場ではトップの販売実績を持つ。そのほか、2024年7月にElasticssearch(株)と国内初のディストリビューター契約を締結し、Elastic Search AI Platformを活用した「RAG構築支援コンサルティングサービス」の提供を開始している。
3. 特徴と強み
同社の特徴と強みは、国内で先駆けてOSSをベースとした事業を展開してきたことで、OSSに関する技術や運用ノウハウなどの知見が深いことである。OSSに携わる技術者のレベルや運用サポート体制は顧客企業からも高く評価されており、NTT<9432>やそのグループ、トヨタ自動車<7203>など日本を代表する大企業も顧客として名を連ねている。日本電気<6701>や富士通<6702>など競合の大手SIerは、自社開発製品が主力でOSS関連製品は傍流としているため、大きな脅威ではない。OSS分野を専門にサポートする企業は少なく、同分野では競争優位性を保っている。
Linuxディストリビューター(商用Linuxの配布・サポートを行うことに特化した企業)として世界最大のRed Hat, Inc.とは創業時より緊密な連携関係にあり、国内最大規模の代理店として「Red Hat Enterprise Linux」をはじめとする関連商品の販売・サポートを行っている。
なお、同社の商流はOSSのシステム開発やサポートサービスを除けば間接販売が大半を占め、主に大塚商会<4768>や(株)ネットワールドなどのSIerを経由して最終顧客に販売されている。2025年12月期の売上構成では、大塚商会向けが全体の28.5%、ネットワールド向けが12.0%であった。また、海外売上比率は4.3%で大半が「LifeKeeper」関連で占めている。地位別では北米向けが5割強、欧州向けが3割弱、残りがアジア他地域である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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