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葬祭のプロが考える「これからの葬儀」
失敗しない「直葬」のやり方

通夜・葬儀なしの「直葬」で失敗しないためのノウハウ 「本当にかかる費用の内訳」「見積書の見方」「葬儀社の選び方」を葬儀のプロが解説 遺族が自分でやる「DIY葬」は現実的でない

直葬ほど葬儀社選びで差が出る理由

 どの葬儀社に依頼するかも、直葬をうまく執り行う上で重要です。

「火葬するだけなので、葬儀社のクオリティはあまり関係ない」とお考えの方も多いようですが、実際は逆です。祭壇や式場やお経などがない分、葬儀担当者の人となりのような、ソフト面の力量が大きく影響するのです。

 ここで警告したいのは、葬儀社に依頼せず、全部遺族自身でやろうとするケースです。「DIY葬」として推奨する書籍もあります。しかし直葬を遺族自身の手で行うのは、現実的ではありません。

 亡くなったあとの遺体の腐敗を防ごうとして、エアコンをガンガンかければいいという“ノウハウ”を見たことがありますが、これは間違いです。冷やさないといけないのは、腐敗の進みやすい肺や胃などの内臓器官です。直接体内を冷やすのは難しいので、プロが遺体の適切な場所に適量のドライアイスを当てるのです。エアコンで部屋の気温を下げても、遺体保全の効果は不十分です。

 こうした遺体処置に対する誤解以外にも、「棺はインターネットで買えるし、遺体は自家用車で運ぶことができる」と甘く見ては痛い目にあいます。遺体を運んだり、火葬場の予約などの段取りを行ったり、といった一連の手配は、慣れていないと負担が大きすぎます。失敗のやり直しができないので、おすすめしません。

 葬儀社紹介業者に、葬儀社を紹介してもらう時も注意が必要です。葬儀社紹介業者とは、ネット上に広告を出して、葬儀社を探している人を葬儀社に紹介し、紹介手数料を得る業者のことです。最安値に見える場合がありますが、紹介手数料が引かれる分、葬儀社の利益は少なくなります。そうなると、削るのは人件費。結果、経験の浅いアルバイトが来たり、強引に追加費用を増やして利益を出そうとしたりする可能性があります。直葬は担当者の力量が出来不出来に直結するので、安さだけで選ぶのは危険です。

 結局のところ、通常の葬儀をきちんと行える葬儀社であれば、直葬もきちんと行えます。大切な人の最期を任せる以上、説明の分かりやすさ、見積書の透明性、担当者の対応を見て選ぶべきです。表面上の安さだけで判断せず、関係者の意向、葬儀社選び、最終的にかかる費用を事前に確認しておくことが大切です。

▼▼▼前編記事▼▼▼
【はじめから読む→】「俺が死んだら火葬だけで十分」と父は言ったのに… 通夜・葬儀なしの「直葬」に潜む“落とし穴”

【プロフィール】
赤城啓昭(あかぎ・ひろあき):1級葬祭ディレクター。葬儀業界歴約30年。運営する「考える葬儀屋さんのブログ」は月間45万PVを達成し、ライブドアブログ OF THE YEARを受賞。近著に「子供に迷惑をかけないお葬式の教科書」。テレビ、新聞、雑誌、YouTubeなどでも葬儀現場の正しい情報をわかりやすく発信中。
ブログ:https://kangaerusougiyasan.com/
YouTube:https://www.youtube.com/@kangaerusougiyasan

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