閉じる ×
閉じるボタン
有料会員限定機能の「クリップ」で
お気に入りの記事を保存できます。
クリップした記事は「マイページ」に
一覧で表示されます。
マネーポストWEBプレミアムに
ご登録済みの方はこちら
小学館IDをお持ちでない方はこちら
FiscoNews

【注目トピックス 日本株】大阪チタニウムテクノロジーズ—26年3月期はエンジンMRO需要は堅調、新工場建設や戦略シフトを推進

*11:12JST 大阪チタニウムテクノロジーズ---26年3月期はエンジンMRO需要は堅調、新工場建設や戦略シフトを推進
大阪チタニウムテクノロジーズ<5726>は5月14日、2026年3月期通期決算を発表した。売上高は前期比9.6%減の469.52億円、営業利益は同45.2%減の55.24億円、当期純利益は同63.7%減の25.76億円となった。足元の業績は、2024年春先における航空機メーカーの品質問題や秋口でのストライキの影響が2025年上半期まで尾を引いたことに加え、2025年秋口の航空機メーカー2社より新たに発表された「サプライチェーン内での在庫調整」が生じたことで減収減益を余儀なくされた。しかし、同航空機メーカー2社が抱えるバックログは9年から10年分に達しており、根底にあるチタン需要は極めて堅調である。その中でも民間航空機向けのエンジンMRO需要は非常に旺盛であり、エンジン向けと推定されるスポンジチタンのオーダーは落ち込むことなく力強く推移している。

主力のチタン事業においては、コスト増を適切に反映するため、顧客との合意のもとでTZMI社の公表値をインデックス価格とした価格フォーミュラを採用している。足元ではピグメント用鉱石の下落影響が大きくインデックス価格が低下していることに伴い、一時的な販売価格低下の影響が出ているものの、中長期的には安定化に向かう見通しである。また、世界的な需給タイト化を見据えた生産能力増強投資(1万トン増)は、2028年3月末の完成に向けて計画通り順調に進捗している。2025年度までのレイアウト変更や事前工事を経て、2026年度からは本格的な建屋の建設と設備導入フェーズへ移行する。新工場の垂直立ち上げを確実なものにするため、オペレーターの採用を前広に開始しており、既存設備を活用した訓練も計画通り順調に進んでいる。

高機能材料事業においては、AI関連を除く半導体市場の需要調整が継続しているものの、半導体製造装置向けの戦略製品である高純度チタンは高い利益率をしっかりと確保して収益に大きく貢献している。同社はさらなる拡販に向けて高品位製品のサンプル提供をはじめとした積極的なアプローチを展開しており、中長期的には積層セラミックコンデンサ向けの四塩化チタンも含めて需要が確実に拡大していく見通しである。また、高付加価値チタン合金粉末である合金TILOPは競争が激化しレッドオーシャン化している医療用市場から、より付加価値があり参入障壁の高い航空、宇宙、防衛分野へとターゲットを戦略的にシフトしている。長年培った品質プレゼンスを武器に、同分野での安定需要の獲得とプレゼンス向上に向けたアクションを加速させている。

2027年3月期通期の業績予想については、売上高が前期比2.2%増の48,000百万円、営業利益が同38.5%減の3,400百万円、当期純利益が同30.1%減の1,800百万円を見込んでいる。足元はチタンサプライチェーン内在庫調整の影響が残る種まき期間に位置づけられるが、同社は電力多消費ビジネスの特性を踏まえ、省エネ投資による徹底したコスト圧縮と合理化を地道に推進しており、収益改善へのインパクトは大きい。さらに、働き方改革や職場環境の改善、AIの活用を伴うDX推進は、業務効率化のみならずカーボンニュートラルにも寄与する。株主還元については、25%から35%の配当性向を目安とする従来の還元方針を維持しており、現在の厳しい業績局面でも継続的な還元を実施する姿勢を示している。大規模な能力増強投資を完遂した後は収穫期間に入るため、中長期的な企業価値向上を伴った還元が期待される。

<KT>

fisco

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。