閉じる ×
閉じるボタン
有料会員限定機能の「クリップ」で
お気に入りの記事を保存できます。
クリップした記事は「マイページ」に
一覧で表示されます。
マネーポストWEBプレミアムに
ご登録済みの方はこちら
小学館IDをお持ちでない方はこちら
FiscoNews

【注目トピックス 日本株】フェイスNW Research Memo(5):2027年3月期は引き続き増収増益を見込む

*11:35JST フェイスNW Research Memo(5):2027年3月期は引き続き増収増益を見込む
■フェイスネットワーク<3489>の今後の見通し

● 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期の業績は、売上高が前期比12.4%増の37,000百万円、営業利益が同11.9%増の6,300百万円、経常利益が同12.3%増の5,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同6.0%増の3,800百万円を見込んでいる。全社目標として「新たな価値の創造」を掲げ、強みであるビジネスモデルの精度をさらに高めることで、持続的かつ安定的な成長を目指す。具体的な商品戦略としては、既存ブランドである「GranDuo」シリーズ及び「THE GRANDUO」シリーズの開発を積極的に推進すると同時に、新たなコンセプトを導入した新ブランドを立ち上げ、商品ラインナップの拡充を図る。また、営業面及び広報面においては、金融機関との連携を強化して富裕層顧客の獲得を進めるとともに、企業認知度の向上に向けた取り組みを推進する。懸念される建設資材の価格高騰や供給不足の影響については、少なくとも2026年9月頃までは一定の見通しが立っている。既に把握しているコストの上昇分は、適切に事業計画へと反映済みである。

販売予定物件は、不動産商品23件、建築商品9件の合計32件を予定している。開発中のプロジェクト数は合計42件に上り、地域別の内訳は、世田谷区内が26件、目黒区が6件、渋谷区が5件、その他エリアが5件となっている。通期の竣工棟数は23棟を予定しており、例年に比べて第1四半期に多く偏る計画となっている。四半期ごとの詳細な竣工計画としては、第1四半期に8棟(延床面積5,833.03m2)、第2四半期に4棟(3,533.92m2)、第3四半期に1棟(1,276.86m2)、第4四半期に10棟(6,710.37m2)を見込んでいる。このような業績見通しのもと、同社では2027年3月期において、以下に挙げる重点施策を推進する方針である。

富裕層マーケットの拡大を背景とした販売促進の強化と、新ブランドの投入による商品ラインナップの拡充を重点施策として推進する方針である。国内における富裕層世帯の推移については、2011年から2023年までの12年間で、純金融資産5億円以上の「超富裕層」は世帯数が2.4倍、保有資産額が3.0倍に急増している。純金融資産1億円以上5億円未満の「富裕層」についても、世帯数が2.0倍、保有資産額が2.3倍へと大きく拡大している。相続税の課税対象者の割合は2024年に10.4%となり、年間の相続税納付額は3.2兆円を超える規模となっている。このような資産承継ニーズの高まりに伴い、節税や資産防衛を目的とした不動産活用の需要が拡大している。

このような市場環境を踏まえ、金融機関との連携強化を推進する。多数の富裕層顧客を抱えてウェルスマネジメントサービスを提供する金融機関に対し、同社は資産承継や運用に適した投資用不動産の開発を担う。これにより、双方の強みを活かした営業体制を構築している。具体的には、金融機関のウェルスマネジメント部門への積極的なアプローチのほか、地方金融機関からの顧客紹介の拡大により、実際の成約へとつなげている。2026年3月期の取引における販売総額の構成比は、金融機関からの紹介が約40%、マーケティングによる直販が約25%、不動産仲介会社からの紹介が約35%となっている。特定のチャネルに依存することなく、販路がバランスよく分散されている。

商品展開においては、新ブランド「TOKYO MODULE」で次世代オフィス・テナントビル領域に参入し、高付加価値な物件を創出する。また、インバウンドの外国人エグゼクティブ層向けに、短期滞在型レジデンス「MIDHOUSE」を展開する。国内で不足する3ヶ月から半年程度の中長期滞在ニーズに応え、ホテルより低コストながらラグジュアリーな体験を提供する。家具やホテル風の内装に加え、浴槽を省いてシャワー中心とし、広くなったリビングでホームパーティーも楽しめるような、一般住居とは異なる間取り設計が特徴である。

物件価値の最大化に向けた取り組みとしては、物件開発におけるデザインコンセプトに「Well-Being」を掲げている。住むことで心身ともに豊かな暮らしを実現できる賃貸マンションを目指し、そのための9つの指針を策定した。具体的には、先進技術を有する企業との協業を通じて、入居者が「無意識に整う」空間づくりを推進する。さらに、子会社であるMadreの知見を活用し、オーダーメイドキッチンや水回り空間の開発を進める。これまで1,700セット以上のオーダーメイドキッチンを手掛けてきた同社の高い技術力を活かし、デザイン性と機能性を両立させたキッチンを、今後の開発物件へ順次導入する計画である。既に「GranDuo」シリーズ向けのオリジナルブランドキッチンのリリースも予定しており、実際の案件への導入も始まっていることから、今後は物件価値の向上へ本格的に寄与していくものとみられる。加えて、建築コンペティション「Faith Design Competition 2026」を開催し、実際に建築を予定している新築マンションの設計案を広く募集する。グランプリ受賞者には賞金1,000万円と「GranDuo」の設計権利を付与する計画であり、次世代を担う建築家の発掘と、これまでにない革新的な設計アイデアの獲得を同時に進める方針である。

商品開発では、富裕層向け最高級賃貸レジデンス「THE GRANDUO」シリーズの開発を推進する。同シリーズは、「THE or Not ザ・グランデュオか、それ以外か。」をコンセプトとし、“THE”を冠する唯一無二の存在として、GranDuoシリーズとは一線を画す最高級レジデンスブランドとして位置付けられている。一般的な高級レジデンスでは大規模開発に伴い開発期間が3年から10年に及ぶケースも多い一方、「THE GRANDUO」は中低層型高級レジデンスとして開発期間を約2年に抑え、オーナーへの早期提供を可能としている。また、各物件に多様な価値を持たせるため、邸宅設計に実績のある著名建築家へ設計を依頼している。デザイン性と居住性の両立とともに、「FULNESS」をコンセプトとした特別な設備・仕様を標準装備し、暮らしの質の向上を追求する。2027年3月期には、「THE GRANDUO HANEGI」「THE GRANDUO KAMIMEGURO」「THE GRANDUO FUTAKOTAMAGAWA SEED」「THE GRANDUO GAKUGEIDAIGAKU」「THE GRANDUO MEGUROHIGASHIGAOKA」の竣工を予定している。また、2028年3月期以降の竣工に向けても、「THE GRANDUO FUKAWASA」「THE GRANDUO EBISU」を含む全9件のプロジェクトが進行している。

加えて、持続的な成長に向けて採用活動の強化と教育体制の整備を進めている。仕入、販売、設計、施工の各部門において採用を強化するほか、営業部門では研修や勉強会、設計部門では知見共有会や勉強会、施工部門ではレベル別の外部研修をそれぞれ実施し、社員の専門性向上を図る。施工管理技士をはじめとする建設関連人材の採用環境は厳しい状況にあるものの、足元では徐々に採用が進んでいる模様である。若年層の採用も順調に進んでおり、中長期的な育成に注力している。特に施工管理分野においては、人材コンサルティング企業と共同で独自の教育研修プログラムを構築しており、一定の期間をかけて一級施工管理技士を育成する仕組みを整備している。さらに、有資格者を含む中途採用者に対しても継続的な教育を実施し、組織全体の品質向上につなげている。
また、AIやDXを活用した業務効率化も推進する。セールスフォースによるデータの一元管理を進めるほか、社内システムへのAIエージェントの実装を計画している。これらに伴い、全社員を対象としたDX・AIリテラシー習得研修を実施し、組織全体におけるデジタル活用能力の底上げを図る方針である。

大型物件の開発についても積極的に推進しており、国内外の機関投資家や法人による不動産需要の高まりを受けて、物件当たりの収益性向上と開発効率の最適化を図る。竣工物件の平均販売単価は、2026年3月期の約1,390百万円から、2027年3月期には約1,430百万円へと拡大する計画である。同社はこの取り組みを、収益の安定化及び事業ポートフォリオの強化に資する中核施策として位置付けている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)

<HN>

fisco

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。