*11:44JST フォーシーズ Research Memo(4):通販・卸売事業が堅調に推移。リテール事業の事業構造改革が着実に進捗(1)
■フォーシーズHD<3726>の業績動向
1. 2026年9月期中間期の業績概要
2026年9月期中間期の連結業績は、売上高1,032百万円(前年同期比13.2%減)、営業損失273百万円(前期は73百万円の損失)、経常損失336百万円(同72百万円の損失)、親会社株主に帰属する中間純損失349百万円(同58百万円の損失)となった。中長期的な成長に向けた事業構造改革と先行投資を推進した期間となった。
通販事業及び卸売事業については、前年同期比では利益水準が低下したものの、引き続き黒字を維持し、グループ全体の収益基盤として安定した役割を果たした。原材料費や物流費の上昇による影響は競合他社と同様に受けているものの、商品企画の工夫によって収益性の維持に努めている。具体的には、内容量の最適化や配合成分の見直しなどを行うほか、海外の著名インフルエンサーを活用した販促活動により商品価値を高め、販売単価の向上につなげている。こうした取り組みにより、コスト上昇が業績へ大きく影響しないようコントロールしている。リテール事業では既存店舗の「DENBAラウンジ」への転換を進めており、改装に伴う一時的な売上減少や出店コストが発生したものの、将来的な収益性向上を見据えた事業基盤の再構築に取り組んでいる。コンサルティング事業では、太陽光発電所及び系統用蓄電所案件について、収益最大化を目的として複数社との売却交渉を継続している。案件の成約時期は当初想定から後ろ倒しとなったものの、より有利な条件での売却を目指して交渉を進めている。
また、事業譲受に伴うのれん償却費や業務委託費、上場維持費用、資本政策関連費用などを計上しており、中長期的な成長を見据えた先行投資を継続した。短期的には利益を圧迫する要因となっているが、将来の収益拡大に向けた投資フェーズであると弊社では見ている。
2. セグメント別概要
(1) 通販事業
売上高は609百万円(前年同期比4.1%増)、セグメント利益は73百万円(同12.1%減)となった。グループ収益の中核を担う主力事業(売上構成比59.0%)であり、安定した収益基盤として機能している。電話オペレーター販売では、既存のリピート顧客に対する継続的なフォローに加え、過去顧客の掘り起こし施策を徹底することで販売機会の創出に取り組んでいる。一方、EC販売については継続的な成長基調を維持しており、消費者の購買行動の変化を取り込みながら販売規模を拡大している。子会社iiyにおいても売上高は前年同期の270百万円から320百万円へ増加しており、堅調な成長が続いている。
トピックスとしては、2026年3月よりDENBAテクノロジー及び関連製品を紹介する30分番組「DENBAその秘密教えます」のテレビインフォマーシャル放送を開始した。「テレビを見た」という問い合わせや成約事例も確認されており、一定の販促効果が表れている。一方で、テレビ広告はデジタル広告のように視聴から問い合わせ、購入に至るまでの行動の正確な追跡が難しく、売上への寄与を直接的に把握しにくいため、投資対効果の定量的な測定については限界がある。もっとも、同社ではインフォマーシャルの効果を単純な売上貢献だけで評価しているわけではなく、マスメディアへの露出はブランド認知度や企業としての信頼性向上につながるほか、DENBAラウンジへの集客、卸売営業、法人営業など幅広い事業活動を後押しする効果もあるため、広告投資の評価にあたっては短期的なコンバージョンのみならず、中長期的なブランド価値向上や営業活動への波及効果も含めて総合的に判断している。今後は放送エリアの拡大を進めるとともに、資料請求や問い合わせ窓口を拡充するなど、認知度向上と新規顧客獲得を図る。また、国内最大級のライブコマースチャンネル「ぞうねこちゃんねる」において、子会社iiyが展開する「CHARM MAKE BODY」のブラジャーがわずか5分で販売予定数を完売するなど、高い商品力と販売力を示した。さらに、下着の専門家が1年以上をかけて開発した吸水サニタリーショーツ「雲パンツ」の発売も開始しており、新たな顧客層の開拓が期待される。通販事業は既存顧客基盤を活用した安定収益に加え、新商品の投入やメディア活用による認知拡大によって今後もグループの成長を支える中核事業としての役割を担うと弊社では考えている。
(2) 卸売事業
売上高は273百万円(前年同期比13.9%減)、セグメント利益は36百万円(同64.9%減)となった。国内卸については、政治的緊張を背景とした訪日需要の変動など外部環境の影響を受け、インバウンド関連売上が一時的に減少したが、同社は市場環境の変化に対応するため販路拡大や新規市場開拓への投資を継続しており、下期以降の売上回復を見込んでいる。子会社のMIRAISEが展開する韓国アパレルブランドについては、ZOZOTOWNでの販売初動が非常に好調に推移している。同事業にはZOZO出身者やZOZOに関する知見を持つメンバーを集めて取り組んでおり、関係者からも高い評価を得ている。ただし、事業全体としてはまだ立ち上げ段階にあり、単独での収益化には時間を要する見通しである。一方で、ブランドとしてのポテンシャルは高いと認識しており、現在は将来的な成長に向けた基盤構築の段階と位置付けている。
一方、海外卸は引き続き堅調に推移しており、国内市場の変動を補完する役割を果たしている。主力ブランドである「ナチュラルアクアジェル」は、2015年の販売開始以来長期にわたり支持を獲得しており、累計販売本数500万本、累計販売額125億円を突破した。水ベースのやさしい使用感を特徴とするロングセラー商品として、国内のみならず海外市場での拡販も進んでいる。「Cure」についても、特にアジア地域を中心とした各国向け卸売販売が順調に拡大しており、海外事業は着実な成長を続けている。中国市場では、2025年10月に越境ECプラットフォームである京東(JD.com)内に「CURE海外自営旗艦店」を開設した。追加受注が複数回発生するなど販売は好調であり、中国市場でのブランド浸透が進んでいる。さらに、20代から30代の毛穴悩みに着目した新商品「アクアジェルミルク」の販売を開始した。同社では、化粧品事業の成長には継続的な商品開発が重要であると考えており、今後も積極的に新商品を投入してブランド認知度の向上を図る。実店舗における売場スペースの拡大や販路の開拓を進めるとともに、既存主力商品のブランド力を活用しながら新たな顧客層を獲得し、売上成長の加速を目指す。足元では外部環境の影響を受けているものの、海外市場の拡大や新商品戦略の進展によって成長機会は広がっており、卸売事業は中長期的に成長余地の大きい事業であると弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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