*11:46JST SBIリーシング Research Memo(6):2027年3月期は、商品販売の順調な推移を想定して増益維持を予想
■SBIリーシングサービス<5834>の今後の見通し
1. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期通期の連結業績は、売上高で前期比2.7%増の66,000百万円、営業利益で同6.9%増の10,400百万円、経常利益で同2.5%増の8,900百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同0.8%増の6,100百万円と、増収増益の見通しである。
同社は業績予想の前提として、組成金額を前期比10.5%増、商品出資金等販売金額を前期比12.7%増とさらに上積みする計画である。2026年2月に始まったイラン紛争を契機として中東情勢が緊迫化するなど、事業環境にやや不透明さが残るものの、JOLCOを中心に商品販売を拡大する方針である。円安効果で過去に投資したJOLCOを中心にリース期間満了時の利益が出やすい状況が続いていることや、法人企業の業績好調を背景に足元の投資家需要が旺盛なことが、同社の商品販売拡大に寄与する要因となる。
2. 中東情勢緊迫化(イラン紛争)の影響
中東情勢の緊迫化は、短期的には同社の組成・販売に大きな影響がないと見られる。一方、こうした状況が長期化した場合について、同社は「関連業界への影響」「国内投資家の需要動向」「為替変動」の3つの観点からリスクと対応を整理している。
まず「関連業界への影響」として、中東情勢の緊迫化が長期化した場合、エアラインや船主の航空機・船舶の調達方針に影響が出ることもありえる。この場合には、商品組成・販売にマイナス要因となりえるが、航空・船舶の両業界ともに環境対応や競争力強化に向けた投資を継続する必要があり、この方針が大きく後退するとは考えにくいとしている。航空業界向けについては、原油価格の高騰に伴う燃料費の上昇や運賃への転嫁による旅客需要の低下がエアライン各社の業績下押し要因となるリスクも想定しえる。このため、従来と同様ではあるが、同社は案件組成における選別及びリスク管理を徹底する方針である。一方、海運業界向けについては、イラン情勢に伴う地政学的リスクが結果として船腹需給の逼迫を招いている。船舶保険料や燃料費等のコストアップが生じてはいるものの、足元では運賃市況や傭船料も上昇しており、同社は同社船舶JOLCO商品の組成・販売への悪影響は想定しにくいとしている。なお、同社案件は原油タンカーを取り扱っていないため、イラン情勢の緊迫化による直接的な影響は限定的と見られる。
「国内投資家の需要動向」への影響として、中東情勢の緊迫化が長期化した場合、世界的な景気後退による旅客需要や貿易量の減退や国内の景気後退につながる要因となりえる。こうした事態に至った場合には、顧客の投資マインド低下を通じて商品販売に影響が及ぶ可能性がある。
「為替変動」の影響として、JOL商品に関しては為替ヘッジを行っているため、為替変動が利益に与える直接的な影響はない。ただし、為替水準は投資家の投資判断に重要な影響を与えるため、変動が大きくなれば投資判断に時間を要することが少なくなく、販売活動そのものに影響を及ぼす可能性がある。JOLCO商品に関しては、商品組成時から販売時にかけて急激に円高となった場合、顧客向けの単価調整を余儀なくされる可能性がある。この単価調整コストは売上原価に算入される。2027年3月期の業績予想には、紛争終結時に有事のドル買いの巻き戻しが起こることを想定して、相応の単価調整を見込んでおり、一定水準までの円高リスクには対応できる計画となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 古川 聖治)
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