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FiscoNews

【注目トピックス 日本株】網屋 Research Memo(8):中長期的な利益最大化に向け事業投資を加速

*12:08JST 網屋 Research Memo(8):中長期的な利益最大化に向け事業投資を加速
■今後の見通し

2. 成長戦略
網屋<4258>は、2023年12月期から2025年12月期までの3年間を対象とした前中期経営計画を完遂し、2026年3月27日には新たに2026年12月期以降を対象とする「事業計画及び成長可能性に関する事項」を公表した。

前中期経営計画の最終年度である2025年12月期は、売上高5,936百万円(前期比24.5%増)、営業利益1,051百万円(同99.8%増)、経常利益1,048百万円(同93.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益751百万円(同95.3%増)となり、上場来5期連続の増収増益を達成した。サブスクリプション収益の積み上がりを背景に営業利益率は2024年12月期の11.0%から17.7%へ大きく改善し、全社ARRも3,801百万円(前期比29.3%増)と堅調に推移した。同社ではこれをサブスクの谷である「売上減衰期」を越えて、「利益堆積期」へ移行したと位置付けている。

新たな成長戦略では、2026年12月期を本格的な事業規模拡大の年と位置付け、M&A・研究開発・販売促進への戦略的な資本投下により「売上高100億円企業」を目指す方針を掲げている。KPIとしては「Rev/OP計画達成」「ARR積み上げ」「投資金額の順守」を掲げ、事業戦略として「総合セキュリティ事業へのM&A」「SASE製品の認知向上」「セキュリティ人材の採用・育成」「SIEMの研究開発」を推進するとしている。ARRについては、2026年12月期に全社で48億円、2028年12月期にはデータセキュリティ事業32億円・ネットワークセキュリティ事業40億円の合計72億円を目標としている。

2026年12月期の業績予想は、売上高7,002百万円(前期比18.0%増)、営業利益1,200百万円(同14.1%増)、経常利益1,188百万円(同13.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益850百万円(同13.3%増)を据え置いている。第2四半期累計の実績は、売上高3,397百万円(前年同期比23.7%増)、営業利益638百万円(同31.3%増)、経常利益633百万円(同32.3%増)、親会社株主に帰属する中間純利益435百万円(同33.8%増)となり、経常利益の通期進捗率は53.3%と、過去5年平均(49.6%、赤字期を除く)を上回るペースで推移している。

同社の成長を牽引するデータセキュリティ事業では、ログ管理製品「ALog」の完全サブスクリプション化が既に定着し、新規受注に占めるサブスク比率は9割に達している。サイバー攻撃の多発や政府によるセキュリティ対策強化(SCS評価制度など)を背景に、大手製造業・大手IT企業に加え、エネルギー産業や防衛産業といった新たな業種からの受注も拡大しており、経済安全保障・内部統制・サプライチェーン監査目的の導入が中心であることから解約率も低水準で推移している。同社は2026年7月に「ALog V2」をリリースし、SIEM機能を拡充した。従来の「有事のログ保管」に加えて、AIによる予兆検知や攻撃・不正原因分析への対応を強化している。ネットワークセキュリティ事業では、クラウド型ネットワーク運用サービス「Network All Cloud」の需要が製造業を中心に拡大しているほか、「Verona」の機能拡充を2026年12月にリリース予定であり、SASE市場における国産製品の代表的存在を目指し研究開発・販売促進に重点投資する方針である。

また、複合事業化に向けた提携・M&Aも継続して推進しており、2025年5月のNTTドコモビジネスとの資本業務提携、2026年2月のキヤノンマーケティングジャパン・サイバーソリューションズ(株)・菱友システムズとの資本業務提携に続き、2026年6月にはアンペールを株式取得により連結子会社化するなど、事業領域の拡大を加速させている。同社はサブスクリプションモデル移行に伴う短期的な減収リスクを既に克服しており、新中期経営計画の初年度である2026年12月期においても、目標達成に向けて総じて順調に進捗していると弊社では見ている。

なお、生成AIを活用した「データ分析プラットフォーム」構想についても、上記のALog SIEM機能拡充の一環として、収集した多様なログ・データをAIで分析し、これまで人の勘や経験に依存していた意思決定の精度を高めるソリューションへと発展させる方向性が引き継がれている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)

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