大学生の「ITリテラシー格差」(イメージ)
スマートフォンやタブレットで、情報収集から資料作成までできる時代。大学側はPCを使った授業や課題への対応を求めている一方で、「以前から使っている端末で事足りるので、あえてPCを買う必要はない」と考える学生もいるようだ。
前編記事では、Canva(キャンバ)などデザインツールの進化に伴い、学生が作るプレゼン資料の見栄えが驚くほどよくなった反面、内容への理解が追いついていないケースへの教員たちの懸念の声を紹介した。今回の後編記事では、「デジタルに強い若者」というイメージでは捉えきれない学習環境について、大学教員のリアルな声からレポートする。【Z世代大学生のIT学習環境・前後編の後編】
PCの購入を案内しても「買っていません」
元キャリアコンサルタントで、現在は私立大学の実務家教員として、初年次教育に携わっている男性・Aさん(50代)は、接する学生のなかで、スマートフォンとタブレットは持っていても、PCを持たないケースが増えていると感じている。
「勤務先の大学では入学時に、学生と保護者にノートPCを購入するよう案内しています。比較的安価で軽く、授業に必要な性能を備えたものを提案しています。授業でも活用するため、従来は案内どおりに購入する家庭がほとんどでした。
しかし、最近では授業に持参するよう指導しても、『買いたくなかったから買っていません』『それならタブレットが欲しい』という学生も増えている印象があります」(Aさん)
大学側がPCの使用を想定していても、学生全員が同じように準備しているとは限らない。その違いは、授業の進行にも関わってくるという。
「新入生向けに、WordやPowerPoint、Excelなど、基本的なOffice製品を使った演習を実施しています。大学では一部で貸与用のPCも用意していますが、自分のPCがないと操作に慣れるのは難しいと感じます」(同前)
