店員は遊技に関わるサポートができない
海外からの観光客たちは、パチンコホールを訪れても、遊技せずに見学したり記念撮影したりするだけのことも多いという。
「そもそもパチンコやパチスロは、ホールに入ったところで、誰かが遊び方を説明してくれるわけでもなく、細かい遊び方の説明が掲示されているわけでもない。初心者が気軽に楽しめるものではないんです。そして、何も知らずに遊んだとしても、わけもわからずお金を減らしてしまうだけになる可能性もあるわけで、“打たずに見学するだけ”の観光客が多くなるのは仕方ない。
ここで観光客に対応できる外国人の店員がいれば、サービスの向上につながります。パチンコ業界的には、インバウンド需要に応えていくことが業界活性化のカギだという声もあり、だからこそ外国人のアルバイト解禁を働きかけていた側面もあります」
しかし、仮に海外からの観光客と密にコミュニケーションが取れる店員がいても、提供できるサービスは限定的だ。というのも、ホール店員は客に対し遊技に関するサポートをしてはいけないというルールがあるのだ。
「大前提としてパチンコ・パチスロは“遊技”であり、“客(=遊技者)の技術によって結果が左右されるもの”です。そこで店員が遊技結果に関わるようなサポートをすると、公平性が失われることになります。
かつてはパチスロで目押しができない客がいた場合、店員が目押しを代行してボーナス図柄を揃えるといったこともありましたが、2011年からは警察庁からの指導もあり、店員による目押しサービスは全国的に禁止されています。同様に、“パチンコでどの場所を狙って打ち出せばいいのか”や、“パチスロでどこを目押しすればいいのか”など、遊技が有利になるような方法を具体的に教えると、ルール違反になってしまう可能性もあります。
そう考えると、遊び方がわからない観光客に店員がサポートできるのは、お金を入れる場所を教えること程度ではないでしょうか。外国人の店員がいたとしても、観光客を満足させるだけのサービスを提供するのは簡単ではない。“体験する”というところで終わってしまい、パチンコ・パチスロのおもしろさを感じてもらうところまで至らない可能性が高いわけです。そうなると結局、観光客がホールにきても、長時間遊技せずに見学や撮影だけで帰ってしまう。店員によるサポートが限定されている現状では、インバウンド需要に応えて売上を伸ばすことは相当難しいと言えるのではないでしょうか」