何がそんなに便利なの?
最大の魅力は、送金や決済が超低コストで、24時間365日できることです。日本初の円建てステーブルコインJPYCは、2025年10月にリリースされました。発行や円に戻す際の手数料がかからないため、たとえば海外留学中の子どもへの学費の送金など、ほぼ無料でできます。銀行の海外送金だと数日かかって手数料も数千円するので、このメリットはかなり大きい。
お店側にもメリットがあります。クレジットカード決済の手数料は3%前後かかりますが、ステーブルコインなら店側の手数料も不要。そのため、使える飲食店やネットショップが少しずつ増えています。
どうやって利用するの?
気になる入手方法ですが、案外簡単です。JPYCの場合、公式サービスのJPYC EXに口座を開き、指定の銀行口座に入金して、スマホのウォレットアプリで管理します。本人確認はマイナンバーカードのICチップで行うので、不正が起きにくい仕組みです。また、ナッジ社のクレジットカードなら、カード利用代金の支払いにJPYCを充てることもできます。
ただし知っておきたい点もあります。JPYCは資金移動業型という区分のため、発行や償還(円に戻すこと)には100万円という上限が設けられています。ウォレット内での保有や送金そのものに上限はありませんが、まとまった額を用意するには、何回かに分けて発行する必要があります。とはいえ、政府もブロックチェーンを使った金融の推進を掲げており、今後は規制が緩和される方向と見られています。
預けると増えるタイプも登場
JPYCに続いて登場したJPYSC(SBI新生信託銀行が発行する円建てステーブルコイン)は、信託型という別のタイプです。こちらを発行元に預けると利息のように増えるJPYSCレンディングというサービスもあります。サービス開始を記念した当初募集では年率3%と、6カ月定期預金が0.5%程度の今、かなり魅力的な水準です。ただし通常時は年率1~3%程度とされるので、常に3%というわけではありません。また、預けている間は現金化できず、預金のようなペイオフ(保護制度)もない点は理解しておく必要があります。
さらに、三菱UFJ・三井住友・みずほの3メガバンクも、共同でステーブルコインを発行する計画です。2026年度中(2027年3月まで)の実取引開始を目指して、現在は実証実験や制度設計の協議を進めている段階です。
すぐに生活が一変するわけではありませんが、お金のかたちが静かに変わりつつあるのは確かです。まずは仕組みを知り、少額から試してみるところから始めてみてはいかがでしょうか。