*11:06JST シークス Research Memo(6):2026年12月期中間期は戦略コンセプトが奏功し2ケタ増益
■業績動向
1. 2026年12月期中間期の業績動向
2026年12月期中間期の業績は、売上高が150,733百万円(前年同期比5.5%増)、営業利益が5,576百万円(同16.8%増)、経常利益が6,413百万円(同34.6%増)、親会社株主に帰属する中間純利益が4,565百万円(同45.6%増)と好調で、期初想定以上に順調に推移した模様である。
シークス<7613>を取り巻く経済環境について、米国では、労働市場の減速やインフレ率の高止まりにより個人消費は弱含みが続いているが、企業の景況感は改善し、AI関連分野を中心に景気は底堅く推移している。欧州では、良好な雇用環境が個人消費を支えているものの、インフレによる物価の高止まりのため緩やかな景気回復にとどまっている。中国では、長引く不動産市場の低迷に加えインフラ投資が一段落したことで、サービス消費も弱含みで推移している。その他のアジア各国は、個人消費など内需の底堅さを背景に景気は緩やかな回復基調にある。日本では、個人消費や設備投資など堅調な内需を背景に景気は緩やかに回復している。同社が関連するエレクトロニクス市場においては、米国で旺盛なAI需要を背景にメモリなどの設備投資の国内回帰が進み、欧州では、環境対応やパワー半導体への投資により域内サプライチェーンの強化が進んだ結果、緩やかながら底堅い成長が見られた。また、中国では家電を中心とした内需が下支えとなった一方、東南アジアでは、EMS/ODM拠点としての役割が強まるに伴い、自動化を中心とした設備投資が旺盛となった。
こうした環境下、同社は、技術革新や気候変動対策に伴う車載関連機器や産業機器の電動化による需要拡大を見込み、日系・非日系を問わず大手グローバル企業との取引拡大を図った。加えて、2025年12月期に打ち出した戦略コンセプトに基づいて展開した施策が奏功した。戦略コンセプトの成果としては、高収益体質の確立では、ハンガリー工場を閉鎖してスロバキア工場に集約したことで欧州の収益性が改善したほか、合理化・効率化が進展して利益体質への転換が進んだ。また、2025年12月期に大幅に圧縮して適正水準に近づいていた在庫を、さらに削減した。ハンガリー工場の閉鎖により固定資産を削減し、有利子負債の削減も引き続き推進した。この結果、フリー・キャッシュ・フローを継続的に創出できるようになり、バランスシートも為替影響を除くと50億円強圧縮することができた。近年低下していたROEも改善し、8%を射程圏に入れることができた。なお、抑制気味だった設備投資は成長へ向けて2026年12月期下期から増加させる計画である。
事業ポートフォリオの変革と多様化では、パイプラインの拡大と多様化の推進、産業機器の伸長、非車載領域と非日系顧客とのビジネスの拡大、バッテリービジネスの深掘りや大型案件の量産開始など様々な進展があった。
特に顧客の多様化に関しては、中華系顧客との中国内外における取り引きや、バッテリー関連やデータセンター関連(蓄電池、冷却装置など)向けの需要、非車載関連案件や非日系顧客からの引き合いが増加した。なかでも非車載関連案件や非日系顧客からの引き合いの増加は、欧米の需要回復を背景にしている模様である。象徴的なのが欧州の世界最大の総合電機メーカーとの取引拡大である。以前から取り引きはあったが、同メーカーが同社を優先EMS先として選定したことでグローバルな取り引きに拡大する見込みとなった。同社が高付加価値品に取り組み、重要インフラであるデータセンター向けの低圧/高圧電流遮断器や、公共交通用の充電インフラ設備の需要拡大に対応できるようになった点が評価されたものと思われる。このため、同メーカー向けの売上高は、中期的に大きく拡大する見込みである。また、ソリューションの多様化では、バッテリーやロボット、セキュリティ関連、エッジAI関連においてサービスの多様化と高度化を進めたことで、部品キッティングやボックスビルド案件、JDMビジネス案件が増加した。たとえばバッテリービジネスでは、産業用リチウムイオンバッテリーの需要拡大や顧客のキャパシティ不足・BCP対応、高品質要請といったニーズを背景に、基板実装(EMS)に加えてボックスビルド(バッテリーパック)まで一気通貫で請け負うことになった。ソリューションの多様化も、中期的に大きな売上高拡大が見込まれる。
これらの結果、売上高は順調に拡大し、特に戦略コンセプトが浸透した第2四半期は2ケタ近い伸びとなった。利益面では、2025年12月期に改革を加速させた効果やハンガリー工場閉鎖による欧州の収益性改善、円安効果などにより営業利益率が向上し、経常利益以下の利益率は、投資有価証券売却益計上などによる営業外損益の改善もあって、営業利益率を上回る改善幅となった。なお、円安効果を除いても各段階利益で増益を達成した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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