田代尚機のチャイナ・リサーチ

2015年以降、安定成長続く中国経済 本土研究者の見方は?

「2013年以来、中国の経済成長率がシフトダウンして以来、一部の学者、金融機関の成長率予想は低くなり、中には5%、或いは5%以下になると予想する者もいた。一部の西側諸国の研究者、金融機関は再度、中国経済が崩壊すると予想した。しかし、実際には、2015年第1四半期以来、10四半期連続で7%もしくはそれに近い成長を達成しており、安定成長が顕著である。最近、IMFは数回にわたり中国の成長率予想を引き上げており、これは、中国経済の成長が確かであると信頼していることを示している。

 世界経済の回復力が弱い中、中国経済が安定的で健全な成長を維持できる要因は、(1)経済構造の最適化が進み、経済の持続的成長力が増強されている、(2)新規産業が経済を牽引、新たな経済成長点の形成が加速している、(3)供給側構造性改革が深く進展し、経済発展の潜在力が活性化された……」

 5年に一度の人事を決める共産党大会は重要であるが、そのために景気を無理やり押し上げているようなことは起きておらず、むしろ、不動産バブル、不要不急の投資が拡大しないように、金融面で慎重なコントロールを続けているのが実態である。そもそも、共産党大会が終わって景気が悪くなれば、それこそ共産党の責任が問われる。あまり政治にこだわらない方が良いだろう。

 需給要因については、ドル安が進む中、香港市場ではドルとのペッグ制維持のために金融が緩和された状態となり、株式市場に資金が流入し易くなる。一方、本土ではドル安は本土からの資金流出圧力の減少、本土への資金流入圧力の増加となり、株式市場には資金が入り易くなる。ドル安円高が株安に繋がる日本とは逆の構造となっている。

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